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ジャニの常識覆す「タイプロ」異例ヒットの背景 「ジャニーズなき世界」で前代未聞オーディションの全容

東洋経済オンライン / 2024年9月18日 10時0分

彼らが候補者に求めるもの

そんな、ジャニーズの知識を問うようなことをしても、と思う人もいるかもしれない。だが、やろうと思えば、ゼロからでも知ることはできる。

佐藤勝利は14歳で仕事を始めた頃、その時点で出ていた事務所の先輩たちのアルバムをレンタルショップに行っては借り続け、「たぶん全部」聞いたという。その理由を「まずは、知らないことが失礼だと思ったんです。それまでゼロだったから必死だった」と述べている。(『TVガイドPERSON』 vol.136)。

事務所に入ったのに、先輩のことを知らないのは失礼だと考え、楽曲を通して少しでも彼らに近づこうとする。それも、佐藤がしてきた「努力」であり「誠実さ」の表れだろう。

つまり、彼らが候補者に求めるものは、実は彼らが努力によって身につけてきたものだと捉えることもできる。

今後の輝きに繋がっていくような「想いの強さ」はあるのか。自分たちや事務所全体に対してナメたりせずに真摯に向き合う「誠実さ」はあるのか。それを彼らが相手に問えるのは、自分たちにそれを会得してきた経験があるからこそだろう。

もちろん企画自体は新しいが、そこで彼らが仲間に加える基準として挙げるものは、旧事務所から変わらないものであり、3人が、ひいては旧事務所の所属者たち皆が持ち合わせてきたものなのである。

次回は、“Instagramに女性とのツーショット”を載せていた候補者に詰問するシーンがあるようだ。もちろん、ジャニーズアイドルにとってそんなことをしていけないのは不文律ではある。

だがそのような、明文化されてはいなかったけれど彼らが守ってきたことが、この番組では本人たちの言葉によって明らかになっていくことだろう。それは、“ジャニーズになる覚悟”を候補者に問うことにもなる。

“ただのイケメン”ではない者はどれくらいいるのか

筆者としては、ジュニア経験のない者がデビュー組のメンバーに加わるという前例を見たことがない。それゆえ、このtimeleszの試みがどうなっていくのか怖くもあるというのが正直なところであった。

だが、少なくともこの番組はとても面白い。ジャニーズのファンである自分が見て、「ジャニーズとは何か」がよりわかっていくような気がするからだ。

「ジャニーズが好き」と言うと「イケメンが好きなの?」と聞かれることが多い。だが、まったくもってそういうことではない。もちろん、ジャニーズのアイドルはイケメン揃いだが、イケメンだから好きになったわけではないのである。

今回の候補生は2次審査の時点で既に応募総数18922名から350名に絞られているだけあって、世間的にはイケメンとされる人たちだらけである。だが、その中に、“ただのイケメン”ではない者はどれくらいいるのだろうか。

共に戦う仲間を3人が真剣に探していく過程の中で、視聴者は図らずも、timeleszの3人が“ただのイケメン”とは一線を画していること、これまでジャニーズとして生きることで背負ってきたもの・身につけてきたものの大きさを感じることとなる。

ジャニーズアイドルとは“生まれてくる”ものなのか。それとも、努力で“なる”ものなのか。“ジャニーズ事務所”がなくなった世界の中で、「ジャニーズとは何なのか」が炙り出される。

霜田 明寛:ライター/「チェリー」編集長

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