認知症や急激な老化を呼ぶ免疫暴走が起こる真因 免疫が処理できないほど体内にゴミが溜まる恐怖
東洋経済オンライン / 2024年9月20日 7時0分
脳という中枢部の手前には「血液脳関門」があり、これまで、いろいろな物質が簡単には入り込めないと考えられてきました。ところが免疫暴走状態になると、その関門が機能しなくなることが近年わかってきたのです。「脳関門」などと言うと脳につながる血管に関所があるようにイメージしがちですが、じつは違います。
神経と血管とは絡み合うように存在するものの、これまでは酸素など生命維持に必要な栄養分だけが血管から神経へ届けられ、それ以外のあらゆるものはブロックされると考えられていました。血液脳関門とはつまり、この血液から神経への、余分なものへのブロック機能を指す言葉なのです。ということは脳に入る部分だけでなく、全身に張り巡らされた神経と血管の接触面すべてが該当箇所ということになります。
神経は大事な部分なので、必要最低限のもの以外はブロックされるようになっていると考えられていたわけですが、免疫暴走状態だとそのブロックが甘くなり、炎症性サイトカインなどが入り込んでしまうというわけです。これは、つまり体で起こった免疫暴走が脳にまで影響するということで、じつにおそろしい話です。
飯沼 一茂:医学博士、純真学園大学客員教授、日本機能性免疫力研究所代表
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