4000種を知るお米のプロが伝授「注目の品種12選」 オススメなのは山形県「つや姫」だけじゃない!
東洋経済オンライン / 2024年9月20日 10時0分
お米はかつて、政治や経済と密接に関係し、お米を巡って争いやもめ事が起きていました。第二次世界大戦中には、「米穀配給通帳」というお米の配給を受けるための通帳が配られ、これがなければお米を手に入れられないだけでなく、身分証明書の機能も果たしていました。
時代は進み、2024年の今、米不足によりお米の値段が上がり、家計を圧迫しています。そんな状況から、日々のニュースを気にしながら見る方も少なくないでしょう。今も昔も、お米は私たちになくてはならない存在です。しかし、お米について知らないことがたくさんあります。
今こそ知っておきたい「お米の教養」について、4000種以上のお米を食べてきた「おこめ鑑定士」である芦垣裕氏による新著『米ビジネス』より一部抜粋、再構成し、3回にわたってお届けします。
初回の記事では、「押さえておきたい品種」について解説します。
消費者のニーズに合わせて改良
かつて日本人は、お米といえばもっぱら白飯で食べることが習慣化しており、「白飯だけで満足できること」が求められていました。しかし、近年では食材も豊富になり、食材を生かすようなお米も脚光を浴びるようになりました。
【図でみる】もっちり、あっさり、硬め、やわらかめ…「お米の食感チャート」で特徴をチェック
このようなニーズの変化もあり、これまでさまざまな特徴を持つお米の品種が開発されています。そこで、お米アドバイザーである私が、ぜひとも押さえておきたい新品種をご紹介します。
4000種以上のお米を食べた私が独断で作成した、「お米食感チャート(記事の最後で紹介)」も参考にしながら、ぜひお気に入りのお米を探索してみてください。
①つや姫
山形県で誕生した「つや姫」は、白飯で食べていただきたいお米として真っ先に挙がるお米です。
お米の粒がキレイで大きく、炊き上がりはその名の通りツヤツヤ。食感も良く、柔らかすぎず粘りすぎずで、現代人にマッチした仕上がりになっています。食べていて飽きず、誰もが美味しいと感じられるはずです。
さらに「つや姫」は、どんな食材にも合う万能タイプのお米になっています。コシヒカリと比べると粘り・柔らかさ・甘味が足りない感じもありますが、逆にさまざまな用途で使いやすいため、普段遣い用として大変扱いやすく、家に常備したいお米です。
最近では山形ブランドのつや姫がメディアで多く取り上げられるので、「つや姫」といえば山形産と思っている方も多いかもしれませんが、今では東北から九州まで広い地域で作られています。
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