映画「ラストマイル」ヒットの鍵は"動画配信"戦略 「鬼滅の刃」が新たな映画化への道筋を作った
東洋経済オンライン / 2024年9月20日 10時0分
ところが2010年代に入るとテレビ局の放送収入が行き詰まり、ドラマ映画化の勢いが弱まる。40億、50億が当たり前、とはいかなくなった。それでもドラマ映画化の元祖フジテレビは2015年に『HERO』の2作目(46.7億円)、2016年は『信長協奏曲ノブナガコンチェルト』(46.1億円)、2018年には『劇場版コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』(93.0億円)などのメガヒットを残している。2020年には日本テレビ『今日から俺は!!劇場版』(53.7億円)がヒットし、TBSは2023年に劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』(45.3億円)、同年にフジテレビが『ミステリと言う勿れ』(48.0億円)のヒットを放ったことも記憶に新しい。
だが2000年代にフジテレビが打ち出した「ドラマ→映画」のヒットの方程式からすると、2010年代以降のドラマの映画化はスケールダウンと偶然の産物であることが否めない。やはりテレビというメディアの地盤沈下が、そのまま興行収入に繋がっているのだろう。
ドラマと映画が、配信を通して双方向で楽しめる
ところが今年、TBSは『ラストマイル』で新たな方程式を成立させた。「ドラマ→配信→映画」の構造をつくり、また矢印は双方向でどっち向きにもなり、人によっては何度も行ったり来たりする。ドラマと映画が配信を通して双方向で楽しめる新しい方程式ができたのだ。
そういえばTBSの2019年のドラマ「グランメゾン東京」がいま、NetflixとU-NEXT、TVerで配信されている。この冬に映画版『グランメゾン・パリ』が公開される布石かもしれない。
フジテレビの「踊る大捜査線」シリーズのスピンオフ『室井慎次 敗れざる者』『生き続ける者』も立て続けに公開されるが、過去作の配信は自社サービスのFODとU-NEXTくらいのようだ。地上波で一挙放送とのことだが、それで事足りるのか心配だ。
『鬼滅の刃』戦略を応用すれば、ドラマの映画化は2000年代のようなメガヒット作をまた生める可能性がある。もちろん、何より大事なのが面白いコンテンツを作ることなのは変わらないが。
境 治:メディアコンサルタント
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
東宝、2025年ラインアップを発表!『ゴジラ』新作『「鬼滅の刃」無限城編』『ゴールデンカムイ2』など27作品
cinemacafe.net / 2024年12月23日 17時50分
-
映画『ラストマイル』来年4月Blu-ray&DVD発売決定 5大特典リミテッドエディションなど
ORICON NEWS / 2024年12月20日 12時0分
-
「劇場版『鬼滅の刃』無限城編」の4つの注目ポイントとは?―台湾メディア
Record China / 2024年12月15日 23時0分
-
米倉涼子「ドクターX」興収30億円でも満島ひかりが阻む"興収女王"の座…期待値の高さから落胆の声も
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月15日 9時26分
-
24年の映画興収「年間トップ10」示すヒットの傾向 23年と比較するとどんな違い?トレンドを分析
東洋経済オンライン / 2024年12月13日 14時0分
ランキング
-
1ホンダの「救済統合」否定で日産が問われる覚悟 チラつくホンハイの影、ルノーが握る「決定権」
東洋経済オンライン / 2024年12月25日 7時20分
-
2ユニクロが「名作コラボ」を復刻、コスパは抜群なのに“ちょっと残念”だった理由
日刊SPA! / 2024年12月25日 8時54分
-
3「ちょっと太った?」ズケズケと失礼な物言いをする保険屋を黙らせた“意外すぎる人物”の一言
日刊SPA! / 2024年12月24日 15時53分
-
4「お金返して」「詐欺だよね?」脱毛クリニック大手の破産に客ら悲鳴…アリシアだけじゃない“倒産するサロンに共通する予兆”
女子SPA! / 2024年12月25日 8時46分
-
5強盗に狙われている「危険な"迷惑電話"」10の特徴 最新の"迷惑電話"は「ただの詐欺」で終わらない
東洋経済オンライン / 2024年12月25日 10時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)