紫式部が感じた「中宮・彰子」が女房達に抱く葛藤 おしとやかな性格のため、周りの女房も控えめ
東洋経済オンライン / 2024年9月21日 9時0分
今年の大河ドラマ『光る君へ』は、紫式部が主人公。主役を吉高由里子さんが務めています。今回は紫式部が見た、中宮や女房たちの素顔について解説します。
著者フォローをすると、連載の新しい記事が公開されたときにお知らせメールが届きます。
同僚の女房たちの素顔を記す
『紫式部日記』の中には、一条天皇の中宮・彰子(藤原道長の娘)に仕えた紫式部が、同僚たちのさまざまな素顔を記している箇所があります。
【写真】同僚の女房たちをあれこれ批評する紫式部。写真は紫式部邸宅跡地に建つ、廬山寺
紫式部も同僚のことを書くのは、少し遠慮があったようで、最初に「女房たちの姿形について、お話ししたら、それはおしゃべりがすぎるでしょうか」と書いています。
また、執筆に際しては、紫式部なりの基準があったようで、「これはちょっと……」と思われる人(つまり、人の欠点)については「触れないでおく」とも記しています。
そのうえで、まず紫式部が取り上げたのが、藤原遠度(北野の三位)の娘・宰相の君です。
「ふっくらとしていて、とても整った容姿。利発そうな顔立ちで、初対面の頃から時を経るにしたがって、とても印象がよくなっている。上品で洗練されていて、口元には高貴な雰囲気とともに、艶っぽい雰囲気も漂っている。立ち居振る舞いも、人目をひく美しさで、とても華やかだ。性格もたいそうよく、可愛らしさと品のよさが備わっている」
この一文を読むと、絶賛といった感じです。
紫式部は、小少将の君(源時通の娘)についても「上品で優雅。シダレヤナギのような風情。姿形は可愛らしく、物腰は奥ゆかしい。性格は控えめだ。人付き合いをとても恥ずかしがる。こちらが見ていられないほど、子どもっぽい。もし意地悪な人がいて、悪口を言われたりしたら、くよくよ悩み込んでしまうような、か弱くどうしようもないところがあるのが、とても気にかかる」と評しています。
小少将の君を、紫式部は自分の妹のような、いや、もしかしたら、我が子のように見ていたのかもしれません。
中宮に仕える女房の中で、紫式部がひときわ「綺麗」だと思っていたのが、小大輔や源式部(源重文の娘)でした。
小大輔は、髪が美しく、とても豊かで、背丈より一尺以上長かったとのこと。しかし、「今は抜けて分量が少なくなっていた」ようです。これは、少し余計な記載でしょうか。紫式部曰く「外見で直すところはない」そうです。
源式部は、身長が高く、顔立ちは端正。「見れば見るほど素敵」なんだとか。可愛らしい感じで、どこか爽やかな、お嬢様のような雰囲気があったようです。
この記事に関連するニュース
-
平安時代、宮中で働く女房には「バツイチ」や「シングルマザー」も。メンタル最強の「クセ強な女」だらけで、出社拒否も容認!?
OTONA SALONE / 2024年9月23日 16時31分
-
宮中の「ぞっとするいじめ」裏にある"女房の対立" 皮肉交じりの贈り物を受け取った左京の君
東洋経済オンライン / 2024年9月7日 9時0分
-
大河『光る君へ』紫式部が期待されたこと 一条天皇が「読みたい」→彰子のもとへ→仲が深まり… 識者語る
よろず~ニュース / 2024年9月2日 11時0分
-
紫式部が実家に引きこもったのは藤原道長のせいである…NHK大河では描かれない「出仕拒否」の本当の理由
プレジデントオンライン / 2024年9月1日 18時15分
-
宮中から実家帰った「紫式部」心がかき乱された訳 その一方で宮中での生活が恋しくなるように
東洋経済オンライン / 2024年8月31日 10時0分
ランキング
-
1ワコール、英同業企業を買収 海外事業拡大へ販売力強化
共同通信 / 2024年9月26日 18時45分
-
2USスチール買収計画、日鉄社長「決して楽観できない」…仲裁委が「適格」判断で追い風も
読売新聞 / 2024年9月26日 23時17分
-
3年金「月14万円」…手取り30万円労働者の「残酷すぎる老後」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月24日 18時30分
-
4任天堂も激怒「酷似ゲーム」会社が犯した痛恨失態 特許権侵害で訴訟され…出した"声明"にツッコミが殺到
東洋経済オンライン / 2024年9月25日 18時30分
-
5為替相場 27日(日本時間 8時)
共同通信 / 2024年9月27日 8時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください