80年代女子プロ描く「極悪女王」に思わず流れる涙 人間ドラマとゆりやん達の演技に引き込まれる
東洋経済オンライン / 2024年9月21日 10時0分
今年だけでも『地面師たち』『シティーハンター』などオリジナルドラマ、映画で話題作を生み出しているNetflix。
【写真】ネトフリ『極悪女王』。ゆりやん、唐田えりか、剛力彩芽の迫真の演技に引き込まれる
いまじわじわとSNSを賑わせている『極悪女王』(9月19日から配信)は、そんなNetflixの次なるヒット作になること間違いなしの渾身作になっている。
ゆりやん、唐田えりか、剛力彩芽らが出演
本作は、企画・プロデュース・脚本をヒットメーカーの鈴木おさむ氏が手がけ、バイオレンスやノワールの名手・白石和彌監督が演出を務める。メインキャストは、エキセントリックな芸風で知られる芸人のゆりやんレトリィバァ、私生活が話題になった唐田えりか、剛力彩芽だ。
鈴木おさむ氏らしい“狙い”を感じるキャスティングだが、まさにその期待どおり。劇中の彼女たちは、組織や世の中に抗い、自身の信念とプライドのために文字どおり体を張って水着姿で闘う。その姿は、後ろ指をさされることもあったであろう彼女たちが女優活動で奮起する姿とも重なる。
そんな本作は、夢に向かって懸命に生きる若き女性たちのプロレスアクション満載の群像劇と、貧困から抜け出し、史上最恐と呼ばれる悪役レスラーの道を歩んだ少女が自分の居場所を見つけるまでの苦悩と葛藤の人間ドラマが並行して描かれる。
ラストは感涙必至。激動の80年代を必死に生きた彼女たちのすべてが凝縮されたシーンに、さまざまな感情が押し寄せる。彼女たちの姿をどういう気持ちで見ればいいのかわからなくなるなかで、自然と涙があふれる。
自分たちのすべてをかける彼女たちの輝く姿に、自らの人生を振り返る視聴者も少なくないだろう。そんな、激しく感情を揺さぶられる人間ドラマになっているのだ。
物語の舞台は、空前の女子プロレスブームが沸き起こった80年代。ジャッキー佐藤(鴨志田媛夢)とマキ上田(芋生悠)のビューティ・ペアや、長与千種(唐田えりか)とライオネス飛鳥(剛力彩芽)のクラッシュ・ギャルズは、レスリングだけでなく、リング上で歌って踊ってレコードデビュー。ドラマなどテレビ番組にも出演し、国民的アイドルになった。
一方、ダンプ松本(ゆりやんレトリィバァ)は、クラッシュ・ギャルズの宿敵であるだけでなく、日本中を敵に回してリング内外で大暴れする。もともとジャッキー佐藤に憧れて女子プロレスの門をたたき、当初は「優しすぎて悪役には向かない」と言われていたひとりの少女・松本香は、いかにして日本史上もっとも有名なヒール・ダンプ松本へと変貌したのか。
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