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誕生100年の都バス「利用者多い路線」はどこ? 鉄道網の空白地帯が健闘、でも実は8割が赤字

東洋経済オンライン / 2024年9月21日 7時0分

錦糸町駅前に発着する都バス(記者撮影)

大都市圏から地方まで、全国で人々の身近な足となっているバス。日本で初めてバスが走ったのは京都で、運行開始は明治中期、1903年の9月20日だった。日本バス協会はこれを記念して、9月20日を「バスの日」に定めている。

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全国を走るバスの中でも、代表格の1つといえるのが東京都心部を縦横に走る東京都交通局のバス、都バスだ。

都バスは、1923年の関東大震災で大きな被害を受けた路面電車(東京市電、のちの都電)の代替として1924年1月に運行を開始したのが始まりで、100周年を迎えた。今は都区内の大半と多摩地区の一部に営業キロ約765km(2023年4月時点)の路線網を張り巡らせ、1日平均約57.4万人(2022年度)が利用する首都の足だ。

利用者数「2強」の路線はどこ?

数ある都バスの路線の中で、とくに利用者が多いのはどの系統だろうか。

都交通局は毎年度、1日当たりの乗車人員や収入、100円の収入を得るために要した費用を示す指標である営業係数を含む「系統別収支状況」を公表している。

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現状の最新版である2022年度のデータによると、1日当たり利用者数のトップは池袋駅東口(豊島区)と西新井駅前(足立区)を結ぶ「王40」系統で2万581人。2番目は、錦糸町駅前(墨田区)と門前仲町(江東区)を結ぶ「都07」系統の2万165人だ。渋谷や六本木といった繁華街を走る路線ではない。

「王40」系統は、池袋駅と東武スカイツリーラインの西新井駅をおおむね40分台で結ぶ路線。両駅間は鉄道だと最低1回の乗り換えが必要で運賃も400円を超えるが、バスなら直通で210円だ。

どんな路線なのだろうか。9月のある平日、夜の帰宅時間帯である19時台のバスに乗った。

同時間帯の池袋駅東口発は1時間に9本あり、6~8分おきと頻繁に走っている。停留所は長蛇の列で、バスは床が一段高くなった車内の後部まで立った客を乗せて出発。約20分後にJR京浜東北線の王子駅前(北区)に到着しても降りる客はなく、さらに多くの客を乗せて通路は満杯の状態に。

ようやく車内が空き始めたのは池袋から30分ほどの「豊島五丁目団地」。その名の通り、約5000戸があるUR都市機構の団地の前に位置するバス停だ。その後も立ち客の姿が消えることはなく、終点の西新井駅まで乗り通す人も少なくなかった。後部の座席で寝入っていた男性は「バスは座れれば楽ですよね」。鉄道では不便なルートを縫って走る、比較的長距離の利用者が多い通勤・通学の足といえそうだ。

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