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日本がアメリカにかなわない根本的理由とは何か 自民総裁選の議論も日銀記者会見もつまらない

東洋経済オンライン / 2024年9月21日 21時30分

もう1つ。為替変動も実際には気にして利上げを決定しているのに、物価だけと言い続けるから、市場はどうせ為替で利上げを決めると思っているので、必ず日銀と市場の間に認識ギャップが生まれてしまうのでは? というような有益な質問があった。

植田総裁も重要な論点だ、とコメントしていたが、総裁が、為替を直接のターゲットとしないということだ、と理論的な枠組みを維持したコメントをしたが、本当であれば、以下のような質問をさらにしてほしかった。

「もちろんそうだ。しかし、日銀の極端な金融緩和(異次元緩和など)で為替レートが明らかにファンダメンタルズから異常に乖離したものになって、金融市場にも経済にも大きな歪が出ているとき、これは日銀の極端な金融政策のためだけから生じたひずみなのだから、物価のためとは言え、為替への大きな歪という直接の悪影響(副作用というよりも)が大きく出ているときは、物価と為替市場と両方を直接に考えないといけないのではないか?」

しかし、私の絶望は今回100%から98%ぐらいまで低下し、2%希望が見えた、まあまあの記者会見だった。なお、この会見については私のブログ『小幡績PhDの行動ファイナンス投資日記』でも追記しているので、読んでいただけると幸いだ(本編はここで終了です。この後は競馬好きの筆者が週末のレース予想などをするコーナーです。あらかじめご了承ください)。

競馬である。

やっと猛暑が終わる気配を見せ始め、短い秋がやってきた。競馬も秋競馬が始まった。サラブレッドは暑さに大変弱く、猛暑対策の話は前にしたし、例えば、矢作芳人調教師も私も、夏は札幌・函館のみの開催を提案している。現在も、馬房に冷房があるところとないところがあり、最近できた調教施設では冷房完備のところも増えてきているようだ。

北海道も、アメリカのボストンも欧州も、昔は冷房がない家が普通だったが、21世紀にはそうはいかない。そのうち日本人は全員北海道に住むことになるかもしれないが、少なくともサラブレッドの8月はそうなってほしい。

ということで、馬に優しい調教師たちは、エリートの馬は2歳であれば6月、7月にデビューさせて、1勝目を挙げさせる。その後、7月後半、8月の夏競馬の間は北海道で休ませ、涼しくなったらJRA(日本中央競馬会)のトレセンに戻し、10月からレースに出す、というのが王道になりつつある。

だから、大物は6月デビューか、あるいは逆に10月以降デビューか、どちらかが多くなっている気がする。古馬に関しては、酷暑の日本を抜け出し、7~8月はアイルランドなど欧州のやや緯度の高い地域で秋の欧州のレースに備えるというのが一流馬の普通のパターンになっていくかもしれない。

オールカマーの本命は母系トウカイテイオー系の馬

さて、22日は中山競馬場で産経賞オールカマー(G2)が行われる(第11レース、芝コース、距離2200メートル)。

昔は地方馬やアラブ馬(サラブレッドではないということ)の参戦を認めていたからオールカマーなのであるが、今は強い馬の秋初戦という位置づけで、オールカマーとはまったく言えない、本命の強いレースとなっている。

ここはレーベンスティール。弱いと言われる4歳牡馬(芝)の中では、例外の一頭だろう。クラシックは無縁、エリート馬が集まる7月のセレクトセールではなく北海道セプテンバーセール出身、そして母の父はトウカイテイオー、北海道沙流郡の生産、とオールカマーに相応しい馬のような気もする。クイズダービー風に、彼に単勝、全部。

※ 次回の筆者はかんべえ(吉崎達彦)さんで、掲載は9月28日(土)の予定です(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

小幡 績:慶応義塾大学大学院教授

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