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建設業の深刻すぎる「人手不足」解消に必要なこと 一括請負方式の生産システムを見直せるか

東洋経済オンライン / 2024年9月22日 7時0分

物流業界でもドライバーの時間外労働規制が2024年から導入され、輸送能力不足が顕在化する懸念が高まっていた。経済産業省は2021年に「物流のあるべき将来像」を検討するため「フィジカルインターネット(PI)実現会議」を設置した。

PIの原型は、1980年代に米GMとの合弁工場にトヨタ自動車が持ち込んだ物流システムと言われる。それをキッカケに欧米ではサプライチェーンに関する研究が進み、2010年頃に研究者らによってPIの概念が提唱され、欧州では2013年に専門機関も設立されて取り組みが始まっている。

ロードマップでは、2027年にトラックドライバーが24万人不足し、2030年には約36%の荷物が運べなくなるなどと予測。ドライバーの賃金アップと働き方改革で人材確保を図りながら、物流システム全体の効率化を進める道筋を示した。積載率40%のトラック輸送効率を高める共同配送の推進、荷待ち時間削減に向けて荷物をまとめるパレット(荷台)の標準化、物流施設での自動搬送ロボットの導入やトラックバース予約システムの普及などを進めていく。

今年4月に成立した改正流通業務総合効率化法・貨物自動車運送事業法では「荷主」に対して物流効率化に取り組む努力義務が課せられ、一定規模以上の特定荷主には「物流統括管理者=CLO(チーフ・ロジスティック・オフィサー)」の設置も義務付けられた。

今後はPIの実現に向けて、企業や業界を横断して共同配送を実現するシェアリングルールの確立、多種多様な物流データの業界横断プラットフォームの構築、自動運転トラックやドローンなどの実用化などに取り組んでいく。

建設業でも、10年後、20年後を予測して「あるべき将来像」を模索する必要があるだろう。建設生産システムの効率化を進めることを建設業界だけで実現するのは難しい。物流では国が「荷主」に努力義務を課したように、建設でも「発注者」が重要な役割と責任を果たす必要があるだろう。

コンビニ店舗の工事はITを活用

JM(大竹弘孝社長)は、25年前から建物の小口修繕サービスを提供しているが、事業化のきっかけはセブン-イレブン・ジャパンの鈴木敏文会長(当時)への提案だった。2001年から全国約9000店(当時)の建物診断サービスを展開し、店舗の施設・設備が不具合なく、営業が継続できる状態を維持できるように保守メンテナンスを行ってきた。

その後、日産自動車・出光興産・佐川急便など多くの企業と業務提携し、建物の保守メンテナンスや小規模工事を展開。電気自動車の販売に欠かせない充電器の設置では、日産と提携して、設置基準を定め、メルセデスベンツ・BMWなどとも提携している。

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