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有料会員100万人「radiko」のビジネス的伸びしろ 広告ビジネスと新規ビジネスの尖兵として

東洋経済オンライン / 2024年9月23日 10時30分

上記、既存広告ビジネスの商流は、広告主からラジオ局に広告費が流れる構造だ。つまり俗に言う「BtoB」(企業間取引)であり、その商流に消費者=リスナーは存在しなかった。

しかし、スマホ(PC)の中のラジコは、ラジオ局とリスナー1人ひとりを直結するメディアである。ということは「BtoLビジネス」のプラットフォームになり得るのだ。

ラジコをヘビーユースしていて思うのは、番組ごとの画面(アプリでいえば上部に番組ごとの画像の入っている、あの画面)が、なぜまったく動かず、情報も変わらないのだろうということ。

番組内容の展開に即して、もっと多様な情報を可変して組み込めるはずだ。例えば、ラジオショッピングの時間になれば、せめて商品の画像をラジコに載せるべきだろう。また電話だけではなく、ラジコの画面にもレスポンスの入り口を作ってもいい。

さらにはテレビ番組よりも(狭いけれど)深い、コアなファンリスナーを多く抱えている番組も多いのだから、そんなリスナーに対して、番組のスピンオフコンテンツや関連グッズの販売、イベントの優先予約、クラウドファンディングなど、局への課金プラットフォームとして、ラジコ(の番組画面)を活用すべきだと思う。

このあたり、番組の公式ホームページが受け皿でも問題はないのだが、ラジオファンならわかるとおり、ホームページは、局ごと、番組ごとに驚くほどバラバラで、かつUI(ユーザー・インターフェース)のこなれていないものが多い。

だとしたら、これほどまでに普及したラジコの、利用者が必ず見る番組画面に、「BtoLビジネス」プラットフォームというさらなる役割を担わせるほうが自然だと思う。要するに私はラジオ好きとして、ラジオ局に儲けてほしいのだ。

ラジコの利用率が最も高い世代

最後に狙うべきリスナー=ターゲットの話をしたい。

もちろん、先に述べたように、基本的には番組ありきだと思うので、各番組それぞれに、狭くて深い(≒マニアックな)リスナーを確保していくことが先決なのだが、加えて、ラジコが、ひいてはラジオ業界が狙っていく戦略ターゲットの選択と集中が必要ではないだろうか。

注目すべきは、先の総務省データによるラジコの利用率(全年代で13.8%)について、年齢別でもっと高いのが50代で16.6%、それを追うのが40代で16.3%という事実である。この2層への強みを手がかりにするべきだと考える。

言いたいことは、ラジコに食い付いている40~50代=「X世代」を戦略ターゲットとして、さらに掘り起こしていくべきだということだ。

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