ダイソン「オーディオ参入」にストーリーはあるか 競争が激化する中で新規参入を決めた意図とは
東洋経済オンライン / 2024年9月26日 8時0分
昨年のこと、ダイソンが空気清浄機を搭載したヘッドフォン「Dyson Zone」を発売したことを覚えている方はいるだろうか。筆者はマームズベリーにあるダイソンの開発拠点を訪れ、その姿を取材したことがあった。
【写真で見る】どんなデザイン?ヘッドフォン「Dyson OnTrac」はダイソンのDNAを感じさせる
基本的には空気清浄機だったDyson Zone
Dyson Zoneはやや控えめに表現したとしても、商業的には明らかな失敗であった。そもそもこの製品はヘッドフォンではない。基本的には空気清浄機だったのだ。
当時、ダイソンの英国拠点で説明されたのは、地球の環境が多くの人が考えているよりもずっと悪化しており、健康への影響を騒音、空気汚染の両面で受ける地域を通って、通勤や通学をしなければならない中で、パーソナルに安全な領域を確保するための道具として開発されたというものだった。
開発が進む中で、騒音を押さえ込むためのノイズキャンセリング機能は、高音質ヘッドフォンとのハイブリッド商品企画へと発展していった。
当時の記事は、本誌にも掲載されているため、興味がある方はリンク先を読んでいただけると幸いだ。その企画が賛同できるかどうか、商業的に成功したかどうかはともかく、そこには極めてダイソン的なさまざまな課題に対して、科学的アプローチで解決策を模索するストーリーが存在した。
では、初のオーディオ専用ヘッドホンとして日本では9月19日に発売された「Dyson OnTrac」にはどんなストーリーがあるのだろうか。
【写真】ダイソンのオーディオ専用ヘッドホンはどんなデザイン?
7万円を超えるワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホンには、世界に名だたる高品質なオーディオメーカーが数多く参入している。ソニー、ゼンハイザー、ボーズ、AKGなどのビッグネームに加え、Master & Dynamicなどの新興ブランド、ソノスのようなワイヤレススピーカーで名を馳せるメーカーもある。
そうした中で、一般的には掃除機と空気清浄機、それにヘアケア製品で知られるダイソンが、なぜOnTracを発売したのか? よほどの自信があるのか? 製品だけではなく、ビジネスの組み立て方やマーケティングの視点で気になっている方もいると思う。
OnTracの開発をリードしたのは、Dyson Zoneと同じくダイソンの最高技術責任者であり取締役でもあるジェイク・ダイソン氏だ。ご存じ、創業者ジェームズ・ダイソンの長男であり、後継者とみなされている人物。ダイソンは現在も私企業であり、ダイソン家のファミリービジネスだ。
この記事に関連するニュース
-
Haylou、-43dBの強力ノイキャンとハイレゾに対応したヘッドホン「S30」を発売
PR TIMES / 2024年12月18日 12時15分
-
2万円前後で買える「軽くて高音質なワイヤレスヘッドフォン」おすすめ3選【2024年12月版】
Fav-Log by ITmedia / 2024年12月14日 18時45分
-
OneOdio Focus A5:高音質と快適性を兼ね備えた次世代ノイズキャンセリングヘッドホンOneOdio Focus A5登場!
PR TIMES / 2024年12月13日 18時15分
-
静寂を持ち歩く。agの新ワイヤレスヘッドホンはノイキャンオンリーモードを搭載したすごいヤツ!
&GP / 2024年12月5日 6時0分
-
「AirPods 4」を買うべき人は? AirPods Proや既存インナーイヤー型イヤフォンと比較しながら考えた
ITmedia Mobile / 2024年11月29日 10時59分
ランキング
-
1鳥貴族が新時代の「居酒屋王」に!? 苦戦するライバルと差がついた決定的な理由
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月25日 8時10分
-
2「涙目おにぎり」の値下げシール、ファミマが全国拡大へ 食品ロス3000トン削減見込む
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月25日 11時16分
-
3「ホンダ+日産=世界3位」素直に喜べない理由は? パワー半導体をめぐる“次の競争”
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月25日 6時20分
-
4雌伏30年、リユース「トレファク」が大化けしていた 商材多様化、未開封ウイスキーを4000万円で販売も
東洋経済オンライン / 2024年12月25日 9時20分
-
5「第2志望の対策は不要」侮った受験生のヤバい末路 受験に親が介入したほうがいいポイントとは?
東洋経済オンライン / 2024年12月25日 7時40分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください