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Apple Watch"10年目"の刷新が示唆する今後の姿 ヘルスケア機能の進化と日本市場での展開加速の理由

東洋経済オンライン / 2024年9月27日 11時0分

まず、よく見るとストラップの取り付け溝が、以前はほぼ中央だったのが裏蓋により近い位置に移動している。これによりストラップと本体の接合部と手首の間の隙間が小さくなった。密着度が向上し体感的にも判別できる装着感の向上につながった。

無論、手首の上に装着して、1日を過ごしたときの1ミリの薄型化は決して小さなものではない。フィーリングの向上は明らかだ。

加えてステンレスを廃止し、チタンを採用したモデルが登場した。以前からチタンモデルは存在していたが、今回は特別なエディションではなく、ステンレスの置き換えとして通常モデルの中に組み込まれている点が異なる。

このチタンモデルは、丁寧に磨き上げたうえで、ダイヤモンドライクコーティングを施すことにより、深みのあるグロス仕上げも実現している。そのうえで、ステンレスからの変更により、より軽量なモデルに仕上がった。

およそ10年前、Apple Watchを最初に提供したとき、彼らは高級腕時計文化をリスペクトすることを示すため、18金ケースのモデルまで用意し、伝統工芸的な美しいグロス仕上げの技術を持つサプライヤーと契約し、18金はもちろん、ステンレスケースも磨かせた。

もちろんそうした仕上げを好む一定層もいるだろうが、10年を経て、アップルは本質を見直し、Apple Watchを求めるユーザーがどのような製品を望んでいるのかを、理解したということだと思う。

アップルは今年、低価格なアルミニウムモデルにもグロス仕上げのケースを用意した。

ジェットブラックモデルでは、シリカナノ粒子を使用したケミカルポリッシュでの研磨を経て、微細な孔を表面に付けるマイクロパーフォ処理が行われる。そこに染色処理を施し、アルミの深い部分までブラックで染め上げたうえで、数段階の陽極酸化プロセスを経て、最後にDLCコーティングが施される。

その工程は全40段階に及ぶが、価格はリーズナブルに抑えられている。

本格的なAI技術の導入に向けて

この大幅刷新のタイミングで、将来を見据えた設計がいくつかある。

1つはディスプレイの拡大だ。ディスプレイの縦横比は、若干横方向が伸ばされたうえで、サイズも拡大された。

この違いは意外にも体感的に異なるもので、特にタッチ操作を伴うような操作では違いを大きく感じるはずだ。あるいは、ディスプレイサイズの拡大に伴い、従来よりも小さいサイズのApple Watchを選ぼうというトレンドも生まれるかもしれない。

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