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1缶298円「未来のレモンサワー」脱安値化の適否 100円台のRTD市場に、アサヒの新戦力は定着?

東洋経済オンライン / 2024年9月27日 10時0分

とはいえ、味は保証されているため不満の声は出ていない。一方でこのようなネタ消費をされてしまうと、定番化から遠のく危険性がある。近場のスーパーやコンビニで見かけたら試しに買ってみて、「ディストピア」と絡めてX(旧・ツイッター)に投稿する……。よほど、その味に魅了されなければ、二度目の購入はないだろう。

ただ、これに関しては改良の余地がある。というのも、アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶は何度かリニューアルされている。基本は蓋を開けたときの泡立ちの改良だが、そのおかげか成分は変わっていないものの、ずいぶんと店の生ビールに近づいた。

筆者自身、販売当初は「なんだこれ? おいしくない」と思ってしまい、その後は購入しなかったのだが、1度目のリニューアルを機に再度飲んだところ、「ここまで変わるのか……」と驚愕してしまった(残念ながら筆者は2022年を最後に飲めていないため、現在の味の分析はできていない。理由は大量飲酒で「γ-GTP 2420」を記録してしまいドクターストップがかかったからだ)。

つまり、一部で話題のディストピア感を払拭するためには、リニューアルを繰り返せばいい。すでに味はお墨付きだから、あとは缶の中から浮かび上がるレモンに変革があれば、今後も消費者たちに愛される商品となる可能性はある。

とはいえ、298円にもかかわらず、「ディストピア」といわれてしまうのは、メーカー側からするとなんとも複雑な気分だろう。というのも、本当のディストピアのレモンサワーは、工業用アルコールのような味がするため、すでに市場に存在しない。

話題性・奇抜さ以外に求められるもの

ただ、繰り返しになるが、やはり未来のレモンサワーの脱安値化は、どちらに転んでもおかしくない。

というのも、300円あれば数十円足して350mlのストロング系を2缶購入することができる。500ml、1缶で満足できるのであればお釣りがくる。

確かに、未来のレモンサワーは居酒屋のレベルに相当近づいたかもしれないが、コンビニで購入できるレモンサワーという土俵に立てば、そこには-196℃ストロングゼロ、氷結、檸檬堂をはじめとした歴戦の猛者たちがいる。悲しいかな。この円安の時代、安いに越したことはないのだ。

そして、その中にはサントリーの「こだわり酒場のレモンサワー」など、すでに「居酒屋のレモンサワーに引けを取らない」という自負を持っている商品もある。つまり、本格的な居酒屋の味はすでに市場にあるのだ(そもそも、レモンサワーに泡は必要なのだろうか……?)。

その一方で、アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶が登場したときと違って、居酒屋も時短営業していないため、家での晩酌をラグジュアリー化することはできる。ただ、これは偏見だが、レモンサワー好きが高い酒を飲んでいるのを見たことがない。あと、気の利いた店でないと、レモンサワーにレモンスライスが入っていない気もする。

そのため、これから未来のレモンサワーに求められるのは話題性・奇抜さだけではなく、「298円」という「高値」でどうやって戦っていくかということだろう。同商品の今後の展開がRTD市場のメルクマールとなることは間違いない。

【2024年9月27日14時25分 追記】初出時、内容に一部間違いがあったため、修正いたしました。

千駄木 雄大:編集者/ライター

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