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実は不登校の子どもにも親にも問題はありません 多様な学びを提供できない行政と大人の責任

東洋経済オンライン / 2024年9月27日 12時0分

学校に行かない子どもが家の中でゲームばかりをやっている姿を見る保護者のストレスも想像できます。かつて「学校だけは行け。行かないなら家を出ていけ」と生存の危機を通じて追い詰められたことのある私には、「行かない子ども」の気持ちも、「行かない子どもを見守る不安」もわかります。どうするのよ? これから?

でも、当時とは異なり、今は、文科省をはじめとする教育行政機関も、「不登校は欠陥でも何かの欠落でもなく、むしろ多様な学びの機会と場を十分に提供できていない行政と大人の責任である」と公的なメッセージを送っています。

ですから、やはり「不登校とは、学校に行かない子どもを育ててしまったダメ親と、少しの耐性もなくすぐに現実から逃げる弱い子どもによって生じる」という判断と認識は、今を生きる者たちが脱するべきフェイクなのです。

不登校は親子の責任ではない

そして、とりわけ年長者たちがもつ「かつての風景」を前提とした思考習慣、そこから漏れ出す心無い言葉(「なんだよ? 学校行ってねぇのか?」)は、あらゆる意味で曲がり角に来ているこの社会で、命懸けでメッセージを発している幼き者たちを傷つけ、その成育の障がいとなります。

「学校に行かないでどうするつもりだ?」という疑問は、長い心の習慣ですから、どうしても払拭できない不安とともにあります。しかし、まず何よりも「不登校は親子の責任ではなく〝起こっている現象〞である」と、言い換えることから始めるべきだと思います。

岡田 憲治:政治学者/専修大学法学部教授

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