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「踊る大捜査線」新作公開が示す刑事ドラマの悲喜 新作映画公開&過去作一挙放送から何が読み取れるか

東洋経済オンライン / 2024年9月28日 20時0分

その意味で2000年代に入って以降の刑事ドラマは「『踊る』の影響を受けすぎている」という感がありました。

警察内部の人間模様に加えて、コメディパートを挿入する刑事ドラマが増えたことも影響の1つ。「踊る」は神田総一朗署長(北村総一朗)、秋山晴海副署長(斉藤暁)、袴田健吾刑事課長(小野武彦)の“スリーアミーゴス”が登場するシーンを筆頭に、笑いを誘い、視聴者に息抜きをしてもらうようなシーンを織り交ぜました。

その成功を受けて以降の刑事ドラマはコメディパートを必須要素のように入れる作品が目立ちます。

特に2010年以降はジャンルを問わずシリアスなムードが続くドラマを避ける人が増え、もともと刑事ドラマは殺人事件を扱うことが多いだけに、コメディパートを入れて緩急をつけることが定番化。

その主な手法は「踊る」と同じようにユニークなキャラクターや会話劇で笑わせるか、家庭や居酒屋での団らんシーンをはさむかの2つですが、やはり「『踊る』の影響を受けすぎて偏っている」と感じさせるところがあります。

だからこそ逆に「太陽にほえろ!」「西部警察」(テレビ朝日系)、「あぶない刑事」(日本テレビ系)などのようなリアリティよりエンタメ重視の作品。また、笑いをまったくはさまない作品と、逆に笑いに振り切るような刑事ドラマがあってもいいような気がします。

「踊る」シリーズの驚くキャスティング

一方で現在ドラマの再放送を見ていて、「もっと『踊る』の良いところを踏襲してほしい」と思わせるところもありました。それは犯人や事件関係者のキャスティング。再放送されるたびに、SNSには「あの人が出ていたのか」という驚きまじりの声があがり、ネット記事がアップされ続けています。

実際、犯人役では、メジャーになる前の近藤芳正さん、篠原涼子さん、伊藤俊人さん、伊集院光さん、阿部サダヲさん、古田新太さん、宮藤官九郎さんなどが出演。

現在放送されている刑事ドラマの犯人役はすでに知名度のある俳優が多く、「犯人と予測されてしまう」という課題を抱えているだけに、未来への先行投資という意味も含め、「踊る」の再放送から学び直す必要性を感じられました。

また、爆発物処理班の眉田克重を松重豊さん、カバンを引ったくられる中学生を水川あさみさん、室井の部下である捜査員を田中哲司さん、サラリーマンから愛人契約を持ちかけられる女子高生を小池栄子さん、恩田すみれ(深津絵里)に恋する藍原誠治を伊藤英明さん、事件のショックで失声症になる少女を仲間由紀恵さんなどが演じました。

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