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「リスキリングは必要?」と思う人の残念な"誤解" 「最近忙しいので……」と断るのはもったいない

東洋経済オンライン / 2024年9月29日 8時0分

総務省統計局が2016年に実施した「社会生活基本調査」によると、社会人の勉強時間は平均1日6分だった。その6年後、2022年に実施した同調査でも、平均は1日13分だった。約6年の間で、たったの「7分」しか増えていない計算だ。

リスキリングという言葉が浸透しはじめたのは2020年の頃からである。世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)において「リスキリング革命」という言葉が使われ、技術革新やビジネスの変化に対応するために新しい知識やスキルを得ることの必要性が明らかになったことがきっかけだ。

それでも日本人の勉強不足はいっこうに改善されず、世界と比べて危機感を持った日本政府が個人のリスキリング支援に5年で1兆円を投じると2022年に表明したほどだ。

欧米のみならず、アジア諸国を含めた調査を見ても、日本人は突出して「勉強不足」だ。

「リスキリングを義務づけられると、業務にシワ寄せがくる」という声もあるが、絶対的な勉強時間そのものが少ないのであれば、その姿勢は改めたほうがいいだろう。

いまの仕事や業務がいつまで存在するか、わからない時代だ。自分の時間のほぼすべてを目先の業務に充てるのではなく、将来のための“投資”にも配分しよう。

リスキリングとは個人への投資である。会社としては、間接的なメリットはあっても直接的なメリットはない。福利厚生のようなもので、従業員エンゲージメントをアップさせるための取り組みといっていい。優秀な人材を採用すること、離職リスクを下げることが目的だ。

だから投資家は「人的資本への投資」をどこまでやっているかで企業価値を推し量る。社会貢献にもつながる姿勢だからだ。

リスキリングをやりすぎる人が会社や上司から、「もっと業務にも力を入れてくれ」と注意されるのなら理解できる。しかし、リスキリングを受けたほうがいい当事者が業務優先を理由に「学びを後回し」にするのは、まるで時代に合っていない。

リスキリングを強制しないと自己投資をしない人が多いから、会社から義務づけられるのだ。「ありがたい」「これは会社の思いやりだ」と受け止めたほうがいいだろう。

毎月、何時間のリスキリングが必要か?

それでは、社会人はどれぐらいの勉強時間を確保すべきなのだろうか? その問いに答えるため、人材教育にまつわる有名な法則を用いて考えてみたい。その法則とは「ロミンガーの法則」である。

「ロミンガーの法則」とは「70:20:10の法則」とも呼ばれている。3つの割合がある通り、人の成長に影響をもたらすのは以下の3種類。

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