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「年収500万?」コンサルの俗化が進む困った事情 「安かろう悪かろう」が蔓延し、レベルの低下も

東洋経済オンライン / 2024年9月30日 18時0分

もちろん、なかには優秀なコンサルタントもいるだろうが、すそ野が広がっているぶん、玉石混交でピンからキリまでいて、「石」や「キリ」のコンサルタントも多いということだろう。

聞くところによると、コンサルティング会社全体が、かつては扱わなかった業務の細々とした部分にまで、コンサルティングの網を広げているらしい。

大勢のコンサルタントを抱えて経営を成り立たせていくためには、新たに仕事を作り出していく必要がある。そのなかで、薄利多売でも売り上げを伸ばしていくということなのだと思う。

コンサルの俗化現象が始まった

世の中の流れに引っ張られるように、戦略系コンサルもかつての少数精鋭主義を断念し、社員増に伴って薄利多売の方向へと舵を切っているというのが現状だろう。「コンサルタントの俗化現象」といってもいいかもしれない。

俗化現象によって、企業は企業で、以前よりも安易にコンサルに依頼する傾向が強くなっているように思う。

ひと昔前のように、社運をかけて戦略系コンサルタントを雇うのではない。ちょっとした業務改善と社員教育まで含めた、お手軽なコンサルタンティングを求めて、総合系やIT系などのコンサルタントを雇う。

もはやコンサルタントという同じ呼称でも、かつてのコンサルタントとは求める能力やスキル、イメージも変わってきているということだ。

私がコンサルタントになった頃は、日本ではコンサルティングという考え方はまだ一般的ではなかった。まして企業経営の戦略的な部分は経営者が考えることであり、それを外部に委託したり、サポートを求めるということはあり得ないと考えられていた。

そういう時代から見れば、日本の企業の意識もずいぶん変わったし、コンサルタントとしては基本的にはありがたい話だ。

ただし、どうも今度は逆の方向に振れすぎてしまったようだ。

安かろう、悪かろうのコンサルティングが蔓延し、結果としてコンサルティング全体のレベルが落ちている。一方で企業側も、あまりに無作為にコンサルタントに依存するために、自らの頭で考え、判断する力が落ちているようにも見える。

あまりにもコンサルの俗化が進みすぎて、さまざまな問題があちこちで生じているようだ。

堀 紘一

津田 久資

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