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東京で「貧しい日本人」を排除する施設が増える訳 庶民にも開かれた大阪、ニセコと大差ない東京

東洋経済オンライン / 2024年9月30日 9時30分

大阪に誕生した「GRAND GREEN OSAKA」が大好評の一方、東京に新たにできた商業施設は、どこも似たりよったり。なぜ、こうなってしまったのでしょうか?(筆者撮影)

9月6日、大阪・梅田の駅前に「GRAND GREEN OSAKA」が誕生した。その中にある都市型公園「うめきた公園」は、都市公園として非常に好評だ。

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筆者は以前、GRAND GREEN OSAKAについて現地のレポートを交えながら、その再開発のキーワードは「開放性」にあると解説した。芝生広場から見える青空のような、景色の開放性もさることながら、無料で座れたり寝っ転がったりできる場所があり、さまざまな人に開かれているという意味での開放性の高さにも驚いたのだ。公園だけでなく同時にオープンした「北館」も、館内に「スペースがあるだけ」という作りで、さまざまな人に開かれている印象を持った。

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その光景を見て頭に浮かんだのは、東京のことだった。そこでも多くの再開発が進行しているが、それらに「開放性」はあるのだろうか?と思ってしまったのだ。むしろ、その施設の多くは「富裕層」や「訪日観光客」しか見ていないのでは?とさえ感じられるのだ。

再開発で"高級化"する渋谷

例えば、顕著なのが渋谷だろう。渋谷は現在100年に一度の大規模な再開発が進行中だが、そこで誕生している多くのビルは、上層階はオフィスで関係者以外の立ち入りができず、低層階には高級なショップやレストランがぎっしり……というもの。オフィスでない場合は、高級なホテルが入っている場合も多い。

【画像13枚】インバウンド向けに振り切った「東急歌舞伎町タワー」は、驚きの光景が広がっている

実際、渋谷再開発を進める東急は、「渋谷をクリエイティブワーカーの聖地に」という掛け声のもと、渋谷をそれまでの若者の街から「オトナな街」にしようとしている。また、同時に渋谷はインバウンド観光客が最も訪れる街でもあり、そこにインバウンド向け施設を増やす選択をしているのだろう。

こうした「高級化」の余波として起こっているのは、渋谷の街に滞留できる空間が減ってきていることである。

私は以前、渋谷のチェーンカフェが週末ではどこも混んでいることを指摘し、そのポストには大きな反響があった。それは、こうした再開発によって街が高級化し、ふつうの人々が滞留できる空間が減ってきていることを表している。都市論の言葉ではこうした街の高級化を「ジェントリフィケーション」というが、まさにジェントリフィケーションが進んでいるのが渋谷なのかもしれない。

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