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外国人も絶賛「真田さんの英語力」本当に凄い点 「ネイティブ並み」とは違う説得力がある

東洋経済オンライン / 2024年9月30日 12時0分

この会話の中で感じるオーセンティックな印象というものは、たとえ外国語であっても感じとることができます。

今回「SHOGUN」を観た私個人の感想になってしまいますが、日本人俳優陣の日本語での演技がこの作品のクオリティを高めているのは間違いありません。

私は日本語がある程度わかりますが、まったく日本語がわからず字幕を追っている英語話者にとっても、セリフの声のトーン、抑揚や速度、間合いなどから、その俳優の演技は伝わってくるものです。吹き替えの声優さんもむろん素晴らしいのですが、やはり演じている当人の声というのはこれもまた「オーセンティック」な印象を受けるものです。

時代背景を理解した俳優が台本を読み込み、監督と演技について議論を交わし、何テイクも撮ったなかで最高のカットをつなげて作られた1本の作品だからこそ、たった数秒のセリフにも我々は引き込まれるのだと思います。

芸術的な仕事もAIが奪ってしまうことを心配する声もありますが「SHOGUN」を見るとその心配はあまりしなくていいのではないかと思えます。

「SHOGUN」は、1980年にも一度アメリカで制作されています。こちらも一定の評価を得たのですが、冒頭に書いたような「アメリカ人がなんとなくイメージしている日本っぽい世界」を描いており、役者も全員英語を話すというやや微妙な作品でした。

その作品の評価を一変させた今回の真田版「SHOGUN」ですが、基本的に同じ原作なので前作との違いはごくわずかなものばかりなはずです。それでも今回の作品は前作をはるかに超える名声を得たのです。

この差こそ「それっぱい」か「オーセンティック」であるかの、ごくわずかな差です。しかし鑑賞者にはそれが「決定的な差」だったのです。それほどに私たちは芸術のオーセンティシティというものには敏感な生き物で、それを狙って作り出せるのは、役者やクリエイターという一部の特殊能力を持った人だけなのです。これをAIによって置き換えるのは難しいでしょうし、そもそも置き換えるべき理由がないように思います。

AIの登場で英語の勉強の目的が変わるかも

一方、クリエイティブな作業でも、単純で時間ばかり浪費してしまう作業はAIが肩代わりして行くことになるでしょう。ビジネスの世界でも通知や議事録などはすでにAIが活躍を始めています。しかし、ここぞという人間力で勝負するような場面では、少々たどたどしくても生身の人間の存在が必要なのです。

そうなると、英語の勉強も少し目的が変わってくる可能性も。「意味さえ伝わればいいんだ」と、文法や発音に重点を置いてきたならば、そうした部分はAIによる支援を得ながらも、相手の気持ちを掴むような「自信のある話し方」を学ぶことが最終目的になっていくかもしれません。

翻って真田さんの英語はクリアに相手に言いたいことを伝えながらも、演技を通じて身につけた自信のある語り口で相手にオーセンティックな印象を残すことができるのです。

この能力で「SHOGUN」のハリウッドの制作チームを説得し、日本語によるセリフを採用させ、日本人のスタッフやキャストを起用することができたのだと思います。

デビット・ベネット:テンストレント最高顧客責任者

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