老けたくない人に医師が教える「肉と酒の摂り方」 体も見た目も若々しくいるための習慣
東洋経済オンライン / 2024年10月1日 16時0分
引き続き、肉食のメリットと、セロトニン、コレステロールについて触れます。より高齢になっていくと、人は気力の落ち込みや意欲の低下が進む傾向にあります。
その理由の1つが、たんぱく質不足です。精神状態を安定させるのに大切な幸せホルモンのセロトニンですが、正常に分泌されていると意欲が高まり、不安は弱まり、前向きな日々を送ることができます。しかし、セロトニンは年齢とともに減少していくので、歳を重ねるほどセロトニンを増やす習慣をつけるべきです。
そこで、おすすめが肉を食べること(たんぱく質摂取)です。セロトニンの原料のトリプトファンはアミノ酸の一種で、豆や乳製品、肉や魚などのたんぱく質に多く含まれています。肉はコレステロールを多く含み、敬遠されがちですが、肉のたんぱく質は吸収率が高いのです。食が細くなる高齢の方がセロトニンを増やすために肉を食べるのは、非常に理にかなっています。
コレステロールは、動脈硬化、心疾患の原因となる「悪者」として知られています。ただ実は、コレステロールが本当に悪者かは、いまだによくわかっていません。
かつて東京都老人総合研究所が、長寿者が多い東京都小金井市の70歳の高齢者を対象に追跡調査を行った「小金井研究」でコレステロール値と死亡率の関係性を調べたところ、死亡率が最も高かったのはコレステロール値が169未満のグループでした。反対に最も長生きするのは、男性は219まで、女性は220〜249の正常値よりも高めのグループでした。日本人の三大死因はがん、心疾患、脳血管疾患といわれていますが、今の日本では医療技術が大幅に進歩し、心筋梗塞は「死ななくてよい病気」になりつつあります。
そう考えると、日本人の場合は、肉食でコレステロール値を高めてがん予防をしたほうが長寿になります。こうした事情を見ていくと、必ずしもコレステロール値が低いほうが幸せとはいえないように思います。
老化を防ぐ「タイムリー・ニュートリション」理論
老化を防ぐ食事とは、具体的に一体どんなものを食べたらいいのでしょうか。
そこで、アンチエイジングの第一人者と言われるフランスのクロード・ショーシャ博士の「タイムリー・ニュートリション」理論を紹介します。
ハリウッドセレブなどを何人も顧客にもつショーシャ博士が提唱しているアンチエイジング理論です。これは、臓器にはそれぞれ活動している時間と休んでいる時間があるため、活動時間に合わせた食事をすることで、内臓負担や細胞の炎症が減るというものです。
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