新型「EX90」から見るボルボが描く電動化の未来 「2030年までの完全BEV化」方針は撤退だが
東洋経済オンライン / 2024年10月2日 9時0分
しかしながらEX90の試乗を行った9月2日にその現場では、当然決まっていたはずの方針転換の件は一切伝えられなかった。そこには少しモヤモヤさせられたのも事実である。
ともあれEX90は、SPA2(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー2)と呼ばれるBEV専用プラットフォームを用いて生み出されており、全長5037mmというXC90よりやや大きなサイズのボディを持つ。車体の前後に電気モーターを搭載し、その間の床下にバッテリーを敷き詰めるパッケージングはBEVの定番的なものだ。
トータルでサステイナビリティに配慮
目をひくのはクルマ全体で約15%の再生スチール、約25%の再生アルミニウム、約48kgの再生プラスチックとバイオベース素材が使われていること。これはボルボ車としてもっとも多い量だという。
他にも、シート表皮に再生ペットボトルなどから作られた合成皮革“Nordico”を用いるなど、単に動力源を電動化するだけにとどまらず、トータルでサステイナビリティに配慮する姿勢はボルボらしい。
EX30と共通のデジタル表現で描かれた“トールハンマー”ヘッドライトを用いる外観では、フロントウインドウ上部の張り出しに目が行く。ここに収まるのはLiDAR。カメラ、センサーなどと協調して車両周辺のセンシングを行い、さらに地図データとしてGoogleのHDマップを用いることで、精度の高い運転支援を可能にする。見据えているのは将来のレベル3、もしくはそれ以上の自動運転である。
そしてインテリア。ハードスイッチを減らして、縦型のセンタースクリーンへの機能を集約した室内のインフォテインメントシステムには、Googleのアプリ、サービスが組み込まれている。NVIDIAのDRIVEプラットフォーム、クアルコムの「Snapdragon Cockpit Platform」を、件の自社開発ソフトウェアでドライブするわけだ。
試乗した「EX90 Twin Motor Performance」は最上級グレードにあたり、前後のモーター出力の合計は実に517PS、910Nmにも達する。リチウムイオンバッテリーは容量111kWhと大きく、航続距離は580kmとされる。
際立つ静粛性、乗り心地も上々
その走りは、さすがに余裕たっぷり。2.5トンを超える車重をものともせず、軽やかに発進し、加速していく。
しかも、その際の静粛性の高さはまさに際立っている。電気モーター、インバーターなどが発生するノイズ、さらにはロードノイズ、風切り音などが徹底的に抑え込まれているのだ。BEVだから当然静かなわけではない。制振材の入念な配置、液封式のサスペンションブッシュ、高剛性化されたサブフレームの採用など、入念な対策の賜物である。
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