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東武博物館「スカイツリーライン高架下」の異空間 限られたスペースに展示車両がずらりと並ぶ

東洋経済オンライン / 2024年10月2日 7時0分

中庭に展示されている「ED101形101号」も第1号車の1つ。1930年に運用を開始した、イギリス製の電気機関車だ。長く貨物列車の牽引などで活躍し、晩年は近江鉄道に譲渡、1988年まで走っていた年季モノ。近江鉄道で保存されていたものを引き取り、2009年から東武博物館で展示しているという。

「博物館20周年を記念して、5700系とともに新たにラインナップに加わりました。中庭といっても周りが狭い場所にあるので簡単に設置することができなくて。隣接する小学校の敷地を使わせてもらって、冬休みの夜中にクレーンでつり上げて設置したんです」

当時のことを振り返るのは、学芸担当課長の学芸員、山田貴子さん。学芸員資格を取得後、オープニングスタッフとして採用された、いわば東武博物館の生き字引だ。

電車の運転を体験できる

保存車両はもちろん、東武鉄道の1日を表現したパノラマショー、大型モニターを使った運転シミュレーターなど、さまざまな展示を揃えている。シミュレーターの1台は10030型のカットボディを用いたもの。ほかのシミュレーターはすべて入館料だけで遊べるが、これだけは別料金。人数限定のため、朝から並んで整理券をもらう人もいるという。

一般的なシミュレーターならば、もちろん誰でも気軽に楽しめる。ツーハンドルの8000系とワンハンドルの50050系を運転し比べてみるのも面白い……と思ってやってみたが、なにぶん初めてなものでちんぷんかんぷん。元運転士のスタッフがサポートしてくれたおかげで、なんとかかんとか停車させることができた。

シミュレーターコーナーの脇にも保存車両が並んでいる。変わり種では明智平ロープウェイのゴンドラやキャブオーバーバス。ゴンドラは2001年まで活躍していた比較的新しいもので、バスは昭和30年代に活躍したガソリン車。東武佐野線の渡瀬駅前に保存……というよりは半ばほったらかしになってボロボロになっていたものを、開館時に復元したという。

バスやゴンドラも展示

「車内も現役当時の姿に復元しています。お客さんが増えて座席が足りなくなって、運転席の脇まで増設していたり、車掌さんが乗っていた時代なのでそのスペースがあったり。そういうところに時代を感じます」(山田学芸員)

館外に見えたデラックスロマンスカーと日光軌道の電車。普段は館内から車内に入ることができる。取材に訪れたときは、日光軌道の車両は修繕工事の作業中。長く車両を在りし日の形のままにとどめておくためには、こうした作業も欠かせない。

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