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日本のEV市場が「失われた5年」になる強い懸念 欧州のEVシフトが減速する中で産業の変革を

東洋経済オンライン / 2024年10月3日 15時0分

シャープは、「SHARP Tech-day」(2024年9月17日〜18日、東京国際フォーラム)で、EVのコンセプトモデル「LDK+(エルディーケープラス)」を初公開した。

車体や電動機器を含むEVプラットフォームは、シャープの親会社である台湾の鴻海(ホンハイ)科技集団(Foxconn)がすでに公開している「Model C」がベース。ボディ形状は、スライドドア式のミニバンで、シャープ関係者によると寸法は「ハイエース級」だという。

開発コンセプトは「リビングルームの拡張空間」。LDK(リビング・ダイニング・キッチン)にプラス(拡張)という発想だ。

シャープは、今年5月14日に公表した「2023年度決算及び 中期経営方針」の中で、2025年から2027年を再成長期として位置付けた。Foxconnとのさらなる連携を深めることで、AI(人工知能)、次世代通信、そしてEVを将来事業の3本柱とする方針を打ち出している。

電気・IT業界では、ほかにもソニーとホンダが2020年後半を目指して次世代EVの量産準備を進めるなど、中・長期的な視野でEVに注力する姿勢を示しているところだ。

では、EV市場の“現状”は数字のうえでどうなっているのか。詳しく見ていこう。

オーストリアの自動車関連機器大手の日本法人であるAVL(エイヴィエル)ジャパンが、9月4日に早稲田大学と協力する社会連携講座「自動車用パワートレイン開発プロセスおよび開発手法シンポジウム2024」で取り上げたデータを紹介したい。

それによるとグローバルでは、2024年7月の乗用車市場におけるEV割合は14.4%。若干の増減は見られるものの、過去3年間でみると「おおむね横ばい」の状況だという。

地域別では、中国が23.6%ともっとも割合が多く、次いで欧州が11.1%、アメリカが8.5%と続き、日本は1.3%にとどまる。

PHEVが支える中国、大統領選で未知数のアメリカ

中国では、EVを含めた新エネルギー車(NEV)と呼ぶ次世代車が売れており、この中にはEV、プラグインハイブリッド車、さらにEV機能を主体として内燃機関を発電機として使うレンジエクステンダーが含まれる。

中国地場メーカーが製造するプラグインハイブリッド車とレンジエクステンダーの価格競争力は高まっており、中国国内のEV市場を下支えしている状況だ。

気になる欧州では、前述の「Fit for 55」に関連したEV・FCEVの導入義務化法案の施行時期や内容について、「先行き不透明」という見解が示されている。

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