Metaが狙う「空間コンピューター時代」の覇権 次世代プラットフォームで支配的ポジションへ
東洋経済オンライン / 2024年10月3日 9時30分
Meta Platformsは『Orion』(オリオン)と名付けられた製品の試作機を披露した。
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詳細は後述するが、100グラムを切るメガネ型デバイスには、ホログラフィックプロジェクターが内蔵されており、パススルー(デバイス越し)で見える視覚像に精細なコンピューター3D画像を重ね合わせるAR(拡張現実)を、実に70度という広い視野角で実現する。
彼らはこの製品を10年かけて開発してきたが、いよいよ製品化に向け”あと数年のうち”にリーズナブルな価格で提供するつもりだ。
しかし、Meta Platformsは、画期的な技術の集合体であるOrionだけでは未来を創れないことも承知している。この数年、Meta Platformsは近い将来に空間コンピューターの時代が来ることを信じて、次世代のプラットフォーマーになるべく準備を進めてきていた。
Reality Labsの10年
アップルがVision Proを発表した際、空間コンピューターという言葉を使い、にわかにMR(複合現実)ジャンルが注目され始めた。しかし、このジャンルに長く投資を行ってきたのはMeta Platformsだ。彼らはMR、AR、VR(仮想現実)を含む、XR(クロスリアリティ)と呼ばれる技術ジャンルで足場を固めてきた。
広告収入が激減した際、巨額の研究開発投資をXRに注ぎ込み損失を出し続けることを投資家に批判されていたCEOで創業者のマーク・ザッカーバーグだが、事業の詳細な構成、投資ジャンルについて再構築したものの、開発に向けた情熱が冷めることはなかった。
Meta PlatformsがOculusを買収、XR技術の研究開発を行うReality Labsを設立してから10年が経過する。筆者を含め、多くの人がこの時に注目していたのはVR技術だ。しかし、次世代ARグラスのOrionが10年という歳月をかけて開発されていることから分かる通り、彼らは最初からVRやMRといった特定のジャンルに絞り込むことなく、XRに対して包括的な研究開発を行っていた。
Meta Platformsによると、VRデバイスやその拡張であるMRデバイスが、自宅やオフィス、出先のカフェなどで使うパーソナルコンピューターだとするなら、ARデバイスはもっとユーザーに近いスマートフォンのようなデバイスだと説明する。
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