Metaが狙う「空間コンピューター時代」の覇権 次世代プラットフォームで支配的ポジションへ
東洋経済オンライン / 2024年10月3日 9時30分
どちらか一方が重要なのではなく、両者ともに将来の空間コンピューティングの時代には利用シーンに応じて使い分けられるものということだ。
この節目を境に、その投資は報われるかもしれない。彼らが投資している大規模言語モデルなどのAI技術や、レイバンとの提携で開発してきたスマートグラスなど、さまざまな方面に展開していた彼らの戦略は、そう遠くない未来にひとつに交わろうとしているように見える。
Quest 3Sで狙う拡販の”その先”
Meta Quest 3Sは299ドルから購入できるMRデバイスとして、新たに投入された普及価格帯の製品だ。低コスト化するため、いくつかの工夫がされている。例えば空間認識に使う距離センサーは省略され、ディスプレイやレンズもQuest 2と同等のものが使われた。
それでも体験の質は高く、最上位のQuest 3と同等となっている。MRの特徴である現実空間のVRディスプレイ内の再現も、ほぼ同じレベルだ。
加えて採用するチップは最新版であり、Quest 3とも同一に揃えられているため、開発者はパフォーマンスの違いを意識せずにアプリケーションを作り込める。
かつては“1ドル=100円”感覚と言われたこともあったが、インフレの影響もあって299ドルのプライスタグは日本での3万円よりも安く、2万円台の半ば以下に感じる設定。ホリデーシーズンの手軽なプレゼントにぴったりの価格帯だ。
Meta Platformsが提供しているメタバース空間の「Horizon Worlds」では、常に若年層が集い英語やスペイン語での会話が飛び交い、多様なコンテンツが集まっている。日本市場から見る景色からはやや乖離していると感じるだろうが、この価格帯での本格的なMRデバイスの登場は、デバイス普及の大きなきっかけになるだろう。
実はゲームデバイスとしてのQuestには、大ヒットしたリズムアクション『Beat Saber』以来最大のキラーコンテンツが生まれている。『Gorilla Tag』は、ゴリラになりきってゴリラコミュニティの中に入り、世界中のゴリラになりきったプレーヤーと交流するゲームだが、今年に入ってブレイクすると、すでに1億ドル以上を売り上げた。
大人数が集まるネットゲームだけに、低価格モデル投入のタイミングと相まって普及のきっかけになるかもしれない。
若年層向けのエンターテインメントデバイスとして捉えると、Nintendo Switchが新世代モデルへの切り替えを直前に控えている中で価格的には同じレンジにあり、来年登場する次世代機は300ドル台前半と予想されている。
この記事に関連するニュース
-
約5万円切りのMRヘッドセット「Quest 3S」に触れた 低価格化で空間コンピューティングを攻めるMeta、ARグラス「Orion」による技術革新も間近に迫る
ITmedia PC USER / 2024年9月26日 17時5分
-
これが”ウェアラブルの未来”、Metaが次世代ARグラス「Orion」披露
マイナビニュース / 2024年9月26日 15時42分
-
「Meta Quest 3S」発表、Quest 3と同じカラーパススルー対応で5万円切り
マイナビニュース / 2024年9月26日 7時9分
-
「電脳メガネ」ついに実現? Meta、真のARグラス「Orion」を披露 “筋肉の信号で操作”も可能に
ITmedia NEWS / 2024年9月26日 4時55分
-
Appleの空間ビデオも見られるQuest 3のライバル「PICO 4 Ultra」と「PICO Motion Tracker」が日本発売 実機を見てきた
ITmedia PC USER / 2024年9月13日 12時30分
ランキング
-
1国慶節休暇前夜のテコ入れで中国株が急騰。「今度こそ」景気回復はあるか?
トウシル / 2024年10月3日 7時30分
-
2EUのエンジン車販売禁止計画、伊提案の見直し前倒しにドイツ反対
ロイター / 2024年10月3日 9時51分
-
3【どうして?】ブレーキを踏んでいないのに…ブレーキランプがつきっぱなし 「バッテリー上がりや思わぬ事故の原因に」整備士が対処法を解説
まいどなニュース / 2024年9月28日 7時32分
-
4トヨタ、空飛ぶ車開発に追加出資 米新興企業ジョビーに730億円
共同通信 / 2024年10月3日 0時9分
-
5親が気づかない「できる子」の自己肯定感の低さ 手がかかる下の子ばかり気に掛けていたら…
東洋経済オンライン / 2024年10月3日 8時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください