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親が気づかない「できる子」の自己肯定感の低さ 手がかかる下の子ばかり気に掛けていたら…

東洋経済オンライン / 2024年10月3日 8時0分

「この子は大丈夫」と思って放っておく子ほど、実はコミュニケーションを求めています(写真:Fast&Slow/PIXTA)

【相談】

中2女子、小5男子の子どもがいます。娘は小さいときから手がかからず、勉強もしっかりやっている子だったので、ほっておいて大丈夫な子でした。一方の息子は、癇癪持ちで手がかかり、育てるのが大変な子で毎日手を焼いています。しかし、ここ最近になって、中2の娘の様子がおかしいのです。勉強にあまり手がつけられないようですが、体の調子が悪いわけでもなく、友人関係も良好です。思春期もあるかと思いますが、「私、別にたいしたことないし」「どうでもいいし」など気になることも言い出しました。このような娘にどう対応したらいいでしょうか。

(仮名:関さん)

しっかりしている子ほど、実は自己肯定感が低い

思春期の子どもの心はさまざま揺れ動きます。特に、体と心が成長する小学校高学年から中学生の頃はそれが顕著になるときもあります。しかし、単に思春期という時期だけが原因とは限りません。関さんのお子さんは、おそらく家庭内のあることが原因でそのような状態になっていると推測されます。

これまで筆者が4500人以上の子どもたちを直接指導し、1万3000人の親御さんからの相談を受けてきた中で、関さんのようなケースがいくつもあることに気づきました。それが次のことです。

「もともとできる子、しっかりしている子は、実は自己肯定感が低いこともあります。この子は大丈夫と思って放っておく子ほど、実はコミュニケーションを求めています」

このことが初めてわかったのは、筆者が子どもたちを指導し始めて間もない頃でした。

集団授業の学習塾を経営していましたが、授業では生徒が演習をしている最中、机間巡視して指導します。そのとき、手が止まっている子のところに行き、考えるヒントを与えたり、わからない場合は教えたりしていました。一方の手のかからない生徒(勉強ができる子)は大丈夫だと思って、声をかけずに、そのまま通り過ぎていきます。すると、そのような生徒は3カ月以内にたいてい塾をやめていったのです。

はじめは何が原因かわかりませんでした。たびたびそのようなことが続くため、「もしかして声かけ?」と思い、できている子にも次のような声かけをするようにしました。

「どう? 大丈夫?」

すると「はい」と返ってきます。「その調子で進めてね」とわずか5〜6秒の対話を入れることで、やめなくなっていったのです。それ以来、筆者は、手のかからない子ほど意識して声かけをするようになりました。

「手がかからない子」にこそコミュニケーションを

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