愛嬌ある「団子鼻」が目印、元祖新幹線0系の記憶 試運転から国鉄時代の全盛期、晩年の姿まで
東洋経済オンライン / 2024年10月3日 7時0分
2024年10月1日、東海道新幹線は開業から60年を迎えた。その歴史を振り返る動きの中、初代の新幹線電車0系の人気が再燃しているという。
【写真60枚を一挙公開】東海道新幹線開業前の試運転から国鉄時代の全盛期、そしてJRとなった晩年まで、東海道・山陽新幹線を疾走する0系の姿。懐かしの食堂車やビュフェ、運転台も
0系は世界初の超高速鉄道である新幹線用の電車としてデビューし、その独特の流線形は世界の注目を集めた。近年のレトロブームもあり、今となっては愛嬌を感じる「団子鼻」の新幹線を懐かしむ声も多いと聞く。筆者は開業直前の試運転から新幹線を撮り続けて60年、知られざる0系の話題と秘蔵の写真を交えて紹介したい。
当初は「0系」と呼ばれていなかった?
日本の超高速鉄道構想は、戦前の「弾丸列車計画」に始まる。第2次世界大戦の戦局が悪化した1943年に工事は中止されたが、戦後に世相が安定してくると輸送需要の急増などもあり高速鉄道計画が再浮上、1959年4月に東海道新幹線の建設が始まった。
1962年には試作車両「1000形」が登場、現在は東海道新幹線の一部となっている鴨宮モデル線で試験走行を開始した。これが0系の基となる車両で、計3本造られた1000形のうちの1本(B編成)は1963年3月、電車として当時の世界最高速度となる時速256kmをマークした。
【写真】東海道新幹線開業前の試運転から国鉄時代の全盛期、そしてJRとなった晩年まで、東海道・山陽新幹線を疾走する0系の姿。懐かしの食堂車やビュフェ、運転台の様子、浜松工場での「空飛ぶ」姿も
そして1964年10月1日に東海道新幹線が開業し、量産タイプの「新幹線電車」が走り始めた。これが0系である。
世界最高速の列車としてデビューした「新幹線電車」は当時の航空機を思わせる丸みを帯びたスマートな流線形で、日本の鉄道車両ではこれまでにないスタイルだった。車体色はアイボリーホワイトとブルーのツートンカラーで、色調こそ変わっているものの「白地に青」は東海道・山陽新幹線のカラーリングとして現在まで定着している。
当初、この車両は0系とは呼ばれておらず、「新幹線(旅客)電車」が公式な呼び名だった。0系と呼ばれるようになったのは、1980年に東北・上越新幹線用の新形車両「200系」が登場したころからだ。形式を分類する必要が生じたため、東海道新幹線の電車は新幹線の原点「0・ゼロ」を意味する0系と呼ばれるようになった。
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