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岸博幸、森永卓郎への親近感を生んだ「共通体験」 スタンスは違っても、経済で目指す方向は近い

東洋経済オンライン / 2024年10月4日 15時0分

お金を稼がなければいけない特段の事情もなく、またこれ以上有名になる必要もない森永さんを、人生の残り時間がもうないにもかかわらずここまで突き動かしているものは何か。

それは日本という国のあるべき姿を示し、長い停滞の時代が続く経済、社会を少しでも良くしていきたい、自分の信じる真実を語ることでそれに貢献したい、という純粋な気持ちの表れではないだろうか。

森永さんは僕より5歳年上だが、1980年代の若き日に霞が関で猛烈に働いていたという共通項もあり、常にアクセル全開で突き進むその生き様は心から尊敬しているし、それこそがいまの日本に足りない部分ではないかと僕は思っている。

実際、多くの人はそれほど意識していないかもしれないが、30年間に及んだデフレの影響で、グローバルな視点で見ると現在の日本はすごく貧乏で弱い国になってしまった。

1人当たりGDPはかつて世界第2位だったのが、いまや世界第38位にまで落ち、また労働生産性もOECD加盟38カ国中31位にまで落ちた。日本のグローバル経済における地位は、かつての「経済大国」から先進国の最底辺にまで落ち込んだと言っても過言ではない。

この状況から這い上がり、地に落ちた日本の経済力を再興するには、企業も人も「とことん頑張る」ことが絶対に必要だ。企業であれば、デフレ時代との比較で「程々の」賃上げや設備投資に満足している場合ではない。企業全体で330兆円もの現預金があるのだから、もっと思い切った賃上げや投資をすべきだ。

そして、個人については、働き方改革や残業規制などの「働き過ぎないほうが良い」という誤った政策と風潮に迎合せず、むしろ仕事やリスキリング(再訓練)などをとことん頑張るべきだ。

ある意味、森永さんは昔もいまも、ご自身の方法でそれを実践してきたのではないかと思う。だから、その言葉には魂が宿っているのである。

森永ファンのみならず、森永さんと主義主張が異なる人も、森永さんのこの部分だけはぜひとも見習ってとことん頑張ってほしい。

死のリアルなイメージは、人間を劇的に変貌させる

もちろん僕も、森永さんに負けないくらいに残りの人生はとことん頑張るつもりだ。

寿命を突きつけられるという死のリアルなイメージは、人間を劇的に変貌させる力がある。森永さんも僕も、病気を経験したことで生き方、考え方の整理を迫られ、残された時間の価値を再確認することになった。

その意味で、僕が現時点で最優先に取り組もうと思っていることは3つある。1つは、個人を豊かに、そしてハッピーにすること。2つ目は自民党を立て直すこと。

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