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岸博幸、森永卓郎への親近感を生んだ「共通体験」 スタンスは違っても、経済で目指す方向は近い

東洋経済オンライン / 2024年10月4日 15時0分

そして3つ目は、これからの日本を担う若者を応援していくことだ。

大企業だけが儲かり、個人が幸せになれない構造については、今回、森永さんと議論させていただいたが、これはなんとしてでも変えたい。

社会の価値観や政府の経済政策はもちろん、大企業のサラリーマン経営者の意識も変えないといけない。これに少しでも貢献していきたい。

また、日本経済を復活させるためには経済政策の方向性や中身を大きく修正する必要があるが、これまでずっと政策にかかわってきた経験から、野党にそれを期待するのは無理であり、現実問題として自民党に政策立案の面でもっと進化してもらうしかない。

もちろん、政治資金問題で失った国民の信頼を取り戻すのは容易ではないが、それでも自民党の再生なくして日本経済の再生はないのが現実である。

自分たちの価値観で「若者を否定する」年寄りたち

そして、僕も60歳を過ぎ、世間で「おじいちゃん」と呼ばれておかしくない年齢になって改めて思うのは、日本では表面上は若者の活躍を求める声が多いが、いざ現実に若者が新しいことを始めると、支配層である年寄りが自分たちの価値観でそれを否定することだ。

たとえば、2024年の東京都知事選で160万票余りを獲得した石丸伸二氏は、ネット上のインフルエンサーの成功モデルを選挙運動に適用するという、政治の世界におけるイノベーションを創り出したが、政治家や政治評論家といった支配層は、それを評価することなく、政策の中身がないといった旧来型の価値観に基づく批判ばかりをしていた。

本当に情けないし、心底呆れてしまう。

人口減少、経済力の低下と国力が衰退の一途を辿る日本で、過去の栄光にすがり続けるような余裕などないはずなのに。

本当に日本を再生させる力を持っているのは、森永さんや僕のような高齢者より若い世代である。その可能性を否定しては絶対にダメだし、その才能やアイディア、やる気を認めてあげなければならない。

僕自身、ここまで多くの人と出会い、仕事に恵まれたのは、未熟だった若い自分を多くの先輩方が後押ししてくれたからに他ならない。今度は自分が世の中に恩返しする番だと思っている。

岸 博幸:経済評論家、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授

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