11歳小児がん患者が直面「ドラッグロス」の絶望 海外製薬ベンチャーが日本での臨床開発を除外
東洋経済オンライン / 2024年10月4日 8時0分
こうした理由から、日本は、世界規模での治験において除外されるケースが増えている。薬が一度承認されれば、日本に永遠に入ってこない可能性もある。
デイ・ワン・バイオが開発した「トボラフェニブ」も日本で治験が行われないまま、4月米国で承認された。国立がん研究センター中央病院 小児腫瘍科の荒川歩医長は「日本で行われる臨床試験が少ないことが課題。国際共同治験に日本が参加できるよう、国際会議に出席するなどして海外企業にアピールや相談をしている」と話す。
日本では、ドラッグロスを解消するための取り組みが急速に進んでいる。例えば国は、初期段階での日本人向け治験を原則不要とする見解を示した。薬の審査機関であるPMDA(医薬品医療機器総合機構)は、海外ベンチャー企業に日本の薬事制度などを理解してもらうため、年内に米国に拠点を設ける予定だ。民間では、海外ベンチャーの国内治験を支援するサービスを始める動きもある。
7月に開催された創薬エコシステムサミットでは、「日本を世界の人々に貢献できる『創薬の地』とする」ことが政府方針として掲げられた。目下の課題は、海外企業にとって魅力的な環境を早急に整備することだろう。
兵頭 輝夏:東洋経済 記者
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
大腸がんの肝臓転移、国内未承認の治療薬が効く可能性…医薬基盤・健康・栄養研究所など研究成果
読売新聞 / 2025年1月8日 11時34分
-
保険適用から5年、CAR-T細胞療法の課題とこれから
QLife / 2025年1月7日 17時0分
-
我が子がこの世を去った1カ月後に新治療が承認…メッシになりたかった12歳少年の親が今も後悔していること
プレジデントオンライン / 2024年12月20日 15時15分
-
アッヴィ、日本での未治療CLL(SLL含む)治療薬としてベネトクラクスの承認事項一部変更承認を申請
共同通信PRワイヤー / 2024年12月20日 14時0分
-
いつか必ず死が訪れる中、80歳が超高額な「再生医療」を選ぶべきか…超高齢化社会で本当に必要な「医療」とは
プレジデントオンライン / 2024年12月19日 15時15分
ランキング
-
1「苦情で閉店→大行列店」47歳・つけ麺店主の格闘 つけ麺日本一「YOKOKURA STOREHOUSE」の流儀
東洋経済オンライン / 2025年1月11日 8時30分
-
2参天製薬の「近視進行抑制剤」に注目が集まる理由 国内で初承認、小児の近視対策に新たな選択肢
東洋経済オンライン / 2025年1月13日 7時30分
-
3トヨタ国内生産、東海から東北・九州に20万台ずつ移管へ…人口減でも300万台体制維持
読売新聞 / 2025年1月13日 5時0分
-
43億円を株投資で失い、40歳で時給850円のバイト…人生に絶望した男性が「19時間待ちのラーメン店」を築くまで
プレジデントオンライン / 2025年1月11日 10時15分
-
5福岡空港の「2本めの滑走路」3月オープンへ! 「滑走路1本の空港では日本一多忙」な現状…どう変わる?
乗りものニュース / 2025年1月13日 7時12分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください