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「経営者が政治家になれない?」日本の大問題 経営者出身は学者や芸能人より少ない傾向に

東洋経済オンライン / 2024年10月5日 11時0分

日本の経営者は政治と距離を置く傾向にあります(写真:JPMA)

10月1日に石破茂氏が新しい首相に選ばれました。アメリカでは11月に次期大統領が決まります。今回は、日米の比較を踏まえて、政界と財界の関係について検討しましょう。

経団連は選択的夫婦別姓に口を閉ざした

経団連は6月10日、選択的夫婦別姓制度の早期実現を求める政府への提言を発表しました。提言を受けて自民党は、選択的夫婦別姓に関する意見集約に向けた作業チームの活動を3年ぶりに再開することにしました(「ビジネス界が選択的夫婦別姓を政府に求めた訳」参照)。

今回の自民党総裁選の候補のうち、小泉進次郎氏は推進派、高市早苗氏は反対派です。この争点に関して、経団連は小泉氏支持、高市氏不支持のはずです。ところが、経団連は候補者の支持・不支持を表明せず、この問題についてずっと口を閉ざしました。

経団連のスタンスは、「我々は問題提起した。決定し、実行するのは政府の責任」ということでしょう。選択的夫婦別姓に限らず、日本の財界・経営者は、政府に対し政策を提言するだけで、決定・実行という肝心なところでは政府と距離を置きます。

日本と極めて対照的なのが、アメリカです。アメリカの経済団体や経営者は、政策を提言するだけでなく、支持を表明したり、多額の献金をすることによって決定・実行に深く関与します。

今回の大統領選では、テスラのイーロン・マスクCEOがかつて反目していたトランプ候補の支持を表明し、話題になりました。一方、ハリウッドのエンターテインメント業界はハリス候補を支持しています。他にも多くの経営者が支持を表明し、喧々囂々に議論しています。

政界と財界の距離が遠すぎる日本、近すぎるアメリカ。対照的な両国ですが、どちらがよいのでしょうか。

アメリカの場合、経済の重要政策が実現し、経済成長率が高まりやすいというのがメリットです。一方、企業の利害が優先され、国民の生活がないがしろにされやすいというのがデメリットです。日本はその逆です。

どちらかが一方的に優れているということはありませんが、日本では、アメリカのように政界・財界の距離を縮めようという意見は、一般国民はもちろん、当の財界でもほとんどありません。

これは、全米ライフル協会の強力なロビー活動によって銃規制が進まないなど、アメリカの問題点が広く知られているからでしょう。また、古い経営者の頭の中には、わが国の財閥が軍と一体となって太平洋戦争を遂行した反省があるかもしれません。

財界が政治家の供給源になっていない

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