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「経営者が政治家になれない?」日本の大問題 経営者出身は学者や芸能人より少ない傾向に

東洋経済オンライン / 2024年10月5日 11時0分

日本では、なぜ経営者が政界を目指さないのでしょうか。「成功のロールモデルがないから」「国を思う気持ちがないから」「政治家は割に合わない仕事だから」などいろいろな理由が指摘されます。

すべて当たっていそうですが、それだけでしょうか。加えて、国民が経営者上がりの政治家をまったく望んでいないという点も大きいように私は思います。

日本人は、政治家が田中正造のような清廉潔白な人格者であることを期待します。一方、お金儲けは、他人をだまし、他人をのけ者にしてのし上がる卑しい営みだと考えています。

その卑しい営みで最も成功した経営者は、この世で最も賤しい人種ということになります。能力はあるとしても、「とても国家の大事を任せるわけにはいかない」と多くの日本人は考えます。

「そんな大げさな」と思うかもしれませんが、かつてホリエモンやワタミの渡邉美樹社長が政界進出したときの世間の拒絶反応を思い起こすと(ファンも多数いましたが)、あながち間違っていないのではないでしょうか。

しかし、国民が経営者上がりの政治家を拒絶し、結果として優れた経営者が政治と距離を置くというのは、非常に残念なことです。なぜなら、優れた経営者は、政治で成功するための能力的な条件をもっとも兼ね備えているからです。

企業経営で成功するためには、緻密な分析と斬新なアイデア、つまり知能が必要です。知能だけでなく、アイデアを果断に実行する行動力が必要です。また、自分一人では大きなことはできないので、他人を動かす指導力が必要です。あれもこれも兼ね備えた、「現代のスーパーマン」です。

そして、松下幸之助が看破した通り、経営と政治には類似点が多く、こうした経営者の能力は、政治家として成功するための能力とかなり共通しています。

優れた政治家になれそうな経営者

幸い日本にも、こうした能力を備えた優れた経営者がたくさんいます。その優れた経営者がビジネスの世界にとどまって政治にまったく関与しないのは、日本という国家にとって大損失と言えるでしょう。

最後に、勝手ながらご指名。成功した優れた経営者、しかも自社の経営に一区切りがついて会長職にある方、たとえばファーストリテイリング・柳井正氏、ソフトバンク・孫正義氏……など。

彼らには、ぜひとも政界に進出して日本をより良くするとともに、経営者が政界に進出するという新たな道筋を付けてほしいものです。

日沖 健:経営コンサルタント

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