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ハマス・イスラエル戦争から1年・中東情勢の行方 人質解放、ヒズボラ攻撃、イラン報復…戦局は多方面へ

東洋経済オンライン / 2024年10月5日 9時0分

翌7月31日、ハマスの最高幹部イスマイル・ハニヤがイランの首都テヘランで暗殺された。イランのペゼシュキアン新大統領の就任式に出席するため、テヘラン滞在中のことだった。

ハニヤ暗殺に関してイスラエルは沈黙を貫いているが、ピンポイントでハニヤとその側近だけが殺害されたことを見ても、何らかの攻撃に巻き込まれたわけでないことは確かである。イランにとっては首都テヘランで堂々と「来賓」を暗殺されたわけで、面子をつぶされる形になった。

イスラエルの諜報活動が浸透

ハマスは「他国からイランに向けて発射されたミサイルによって暗殺された」と声明を発表したが、部屋に仕掛けられていた爆弾が爆発したという説もある。

いずれにしても、これが仮にイスラエルの諜報機関による暗殺だったとすれば、ハニヤの動向は完全に掌握されていたことになる。つまり、テヘランのかなり中枢にまで諜報活動が浸透していたということである。

イランのペゼシュキアン大統領は、ハニヤ暗殺について「明らかな国際法違反だ」とし、イスラエルに対して「犯罪の報いは確実に受ける」と報復を宣言した。その一方で、「イランは地域の紛争や危機を拡大するつもりはない」とも述べた。

8月6日、ハマスはハニヤの後継としてヤヒヤ・シンワルを組織のトップに任命したと発表。シンワルは、2023年10月7日のテロ計画を首謀した人物として、イスラエルの最重要指名手配者となっている。

戦争が始まってから1度も表舞台に姿を現しておらず、今もガザトンネルのどこかに身を潜めていると見られている。

2023年11月下旬、人質解放交渉によって解放されたイスラエル人の証言によると、解放の直前にシンワルが姿を見せ、流暢なヘブライ語で挨拶したという。

シンワルは1988年にイスラエル兵殺害などの罪で終身刑を言い渡され収監されていたが、2011年に人質・囚人交換で釈放され、ハマス幹部として活動を再開した。シンワルは23年におよぶ獄中生活でヘブライ語を修得している。

イランはイスラエルに対する報復攻撃を宣言していたが、目立った動きもなく時が過ぎていった。

8月25日、ヒズボラによる大規模攻撃の兆候を察知したイスラエルは、ヒズボラの拠点を先制攻撃。準備を整えていた数千に及ぶミサイル発射ポイントをIDFが破壊した。

ヒズボラによるイスラエル攻撃

ヒズボラは2023年10月8日から、イスラエルに対して計9000発を超えるミサイル攻撃を続けており、6万人超のイスラエル北部住民は今も避難を余儀なくされている。イスラエルは、北部の安全を取り戻すための攻撃と声明を出した。

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