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連続強盗「狙われた4つのエリア」に"闇名簿"の存在 資産家だけでなく、どの家庭にも危険が迫っている

東洋経済オンライン / 2024年10月6日 10時0分

つまり、怪しい連絡や訪問に応じてしまうと、闇名簿で「狙いやすい標的」として更新されてしまう。

対処のポイントは、ここで「更新させない」ようにふるまうことだ。

ハッキングされて個人情報が盗まれたり、悪意のある個人や企業が個人情報を漏洩したりすることは、一個人には止められないものの、訪問販売やアンケートには迂闊に対応しないことで、情報を更新させない努力はできる。

筆者が見た闇名簿には「携帯電話をすぐ切る」「アンケート回答に応じず」といった記載もあった。

次に、犯行の「予兆」を捉えて対応することだ。犯行グループは、必ず下見や不審な連絡をして、標的を定め、犯行計画を立てる。

本文冒頭に述べた地理的な範囲は、犯行グループにとって、こうした「下見」をし、犯行計画を立てやすい場所だっただろうと筆者は考えている。彼らは、住人の構成や内部を調査しやすい方法で「下見」する。

たとえば、作業員を装い、「台風シーズンになりますので屋根の点検をしましょうか」と訪問する、といった方法だ。余談だが、10年以上前には、こうした手法は詐欺に使われており、今ではより暴力的な犯罪に転用されるようになったのだろう。

“急がない110番”「#9110」の活用方法

重要なのは、自分が呼んでいない業者には対応しないというルールを決め、徹底することだ。自宅に他人を入れなくてはならない問題が起こったら、まずは信頼できる人に相談をしよう。障子の修理などでも、見る人が見れば、家族構成や経済状況はすぐわかってしまう。

住宅に、地域と関係がないナンバーの車が訪問してきたり、長く止まっていたりしたら、「#9110」か管轄警察署に情報を入れるようにしてほしい。

“急がない110番”と言われる警察相談専用電話の「#9110」は、まだ事件になっていなくとも、生活の安全に関する不安や悩みを相談できる。緊急用の110番回線を塞いでしまうことなく、不審情報を警察に集積することができる。

ただし、本当に緊急である場合や訪問者がしつこい場合は110番通報をすべきだ。

「環境防犯」という言い方もあるが、周囲より「一段高い」防犯を目指すのも重要である。予算の許す範囲で、環境に合った何らかの対策を取ってほしい。

たとえば、窓ガラスを強化ガラスに換えたり、玄関ドアや窓ガラスを二重ロックにしたりするなど。扉や窓の不自然な振動を知らせるサービスを導入するという手もある。

犯行グループによる下見の段階で「狙いやすい」と認識されないよう、周辺の住宅以上の警備措置を整えるのだ。

家の中に「逃げ込める場所」を

「最後の砦」の用意も考慮しよう。

何者かが侵入してきた場合に備え、「逃げ込める場所(「パニック・ルーム」「セーフ・ヘブン」などという)」を決めて、整備しておくのだ。

筆者は外務省などの研修で、特に危険な国や地域に赴任する者には、こうした「逃げ込める場所」を設定するよう勧めてきた。

具体的には、たとえば寝室を「逃げ込める場所」とした場合、扉を頑丈な素材にし、二重ロックにする。サイレン機能付きのメガホンを用意する。警察が駆け付けるまで、襲われても耐えられるようにしておくのである。あわせて、在宅中も極力携帯電話を持ち歩く、携帯電話の充電はなるべく「逃げ込める場所」で行うなども重要だ。

昨今の「闇バイト」による強盗の手口を考えると、日本でもこうした、「危険地域」並みの措置が必要になってきている。従来の「空き巣」中心の家屋の防犯から、意識を切り替えるようにしてほしい。

松丸 俊彦:セキュリティコンサルタント

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