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「こんな上司がいたら、会社辞められないですよ」 離職の「原因」となる上司、「抑止力」となる上司

東洋経済オンライン / 2024年10月8日 9時30分

「独立志向だったんですけど、あれだけ世話になったら……やっぱり、辞められませんよ」。そう語る男性の上司がしたこととは?(画像:Sorapop / PIXTA)

今、多くの企業が人手不足に悩み、離職を防ぐことは喫緊の課題となっています。

とりわけ上司と部下の関係が希薄な職場では、離職の抑止力となるものがなく、簡単に部下が辞めていきます。

経営心理士として1200件超の経営改善を行い、経営心理士講座を主宰する、一般社団法人日本経営心理士協会代表理事の藤田耕司氏の著書『離職防止の教科書――いま部下が辞めたらヤバいかも…と一度でも思ったら読む 人手不足対策の決定版』から一部を抜粋・再編集し、部下に離職を思い止まらせる要素についてお伝えします。

部下の離職を思い止まらせる要素

私は経営心理士、公認会計士として、人間心理と数字の両面から経営改善を行っています。

【書籍】「離職の理由と対策が体系化されている」「事例が豊富で明日から使える」と話題の『離職防止の教科書』

その中でもとりわけ多い相談が離職を防ぎたいというものです。

離職の要因はさまざまですが、「上司が感情的だった」「上司との関係が希薄だった」「上司が部下を育てる気がなかった」など、上司との関係に関するものが多い傾向にあります。

そのため、上司が感情的にならず、部下との関係を深め、部下を育てる意識を持つことが、離職を防ぐための基本となります。

一方で、離職の抑止力となる要素を強めることも重要です。

私が主宰する経営心理士講座では、「どういった要素があれば離職を思い止まりますか?」というテーマでディスカッションをしていただいています。

その答えとして多いのが、「上司との絆」です。

そこで、今回は上司との絆について、離職を思い止まらせたエピソードを交えてお伝えしたいと思います。

ある製造業の会社の取締役の方が、こんな話をしてくれました。

「私は元々不器用で、工場で働いていたころは仕事を覚えるのが遅くて、しょっちゅう上司に怒られていました。本当につらかったですよ。だから何度も辞めようと思いました。でも、結局35年間、辞めなかったんです」

その理由を聞くと彼はこう話してくれました。

つらいときにかけてくれた「社長の一言」

「若いころは本当につらかったですが、あるとき、社長が本社から工場に来たんです。そして、私にこう声をかけてくれたんです。

『君は仕事を覚えるのに苦労してるみたいだな。君は周りと比べるな。昨日の自分より少しでも成長することだけを考えなさい』。

同僚と比較して劣等感にさいなまれて、極度の自己嫌悪に陥っていたので、その言葉を聞いたとき、目の前がぱっと開けた感じがしました。

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