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DV被害の妻が息子の不登校で目覚めた新たな道 母親が精神的自立を果たして子どもが変わった

東洋経済オンライン / 2024年10月9日 11時50分

「主人はお酒を飲むと暴言を吐くんです。スイッチが入ると何を言ってもダメ。責められるのを一方的に聞いていることしかできません」

攻撃的でないときは家族一緒にキャンプに行ったり買い物に出かけたりするご主人で、3人の子どもたちにとってはいいお父さん。職場でも“癒やし”を与えるキャラとして受け入れられているらしく、暴言の矛先はもっぱら美香子さんひとりに向かっているようでした。

多額の借金、激しくなる暴言で過呼吸に 

また、ご主人は美香子さんに内緒で多額のお金を借りていたことがありました。その額約1000万円。家計を守る美香子さんはその事実を子どもたちにも、義理の親にも伝えませんでした。

「主人にとっては知られたくないことだと思ったので……」

ご主人をかばって必死で家計をやりくりするも、エスカレートしていく暴言。

さらに追い打ちをかけるような出来事が起こります。

「主人の度重なる暴言に私が過呼吸を起こしたんです。苦しくてしゃがみ込む私を見て、息子たちに『おまえらの母親のみじめな様子をよく見ておけ』と、主人は笑いながら私を罵りました」

そんな様子を3人の子どもたちはどのように見ていたのでしょうか。

「子どもたちは主人の実態を知りませんから、私の対応の悪さが主人の機嫌を悪くすると思っていたようです。実際、『お母さんがもっと気をつければいい』と言われたこともあります」

「子どもたちが小さな頃から、節約のため、出かけるときはいつもおにぎりを作り、コンビニでジュースを買いたいと言ってもダメと言っていました。だから私はいつも“ケチなお母さん”だったんです」

「でも、主人はお金を気にせず子どもたちの喜ぶお菓子を買い与えて、いいお父さんを演じるんです。私は主人のためにがんばっているのに、子どもたちは父親の味方になっていって……」

そんな家に居続けなければならないのでしょうか。私は、「実家のご両親の力を借りられませんか?」と聞きました。

「1カ月ほど実家に身を寄せましたが、私の親も、『子どもを置いたまま出てきたらダメじゃない。あなたの対応にも問題があるんじゃない? ちゃんと話し合いなさい』って。どこにも居場所がなかったですね」

自分の親にも見放され、孤立無援の美香子さん。この頃が美香子さんにとって八方塞がりのような、いちばん辛い時期だったと思います。

「これからは自分のことを考えよう」

そんな苦しい数年を経たある日、また出来事が起こります。

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