「GRヤリス/LBX MORIZO RR」が豹変する新機能 スマホアプリから設定するサーキットモード
東洋経済オンライン / 2024年10月9日 11時40分
たとえば、「コーナーを目指してアクセル全開、そしてアクセルオフからブレーキングを開始してコーナーへ進入する」という状況をイメージしてほしい。コーナーの頂点を過ぎた時点でアクセルを踏み込むとノーマル状態のGRヤリスは、一瞬のターボラグのあと、ぶわーっと駆動トルクが立ち上がり、力強い旋回につなげていく。
同じコーナーを『アンチラグ機能』をオンにした状態で走る。進入こそ同じプロセスながら、アクセルを踏み込んだ際に状況が一転する。まわり込んだ先でアクセルを踏み込んだ瞬間に前に引っ張られ、そしてグッと後ろから押し出されるような力強い駆動トルクが瞬時に立ち上がる。イメージ的には、ほぼアクセル操作と同じタイミングで躍度が出るからリズムをとりやすく、そのあとも息継ぎすることなくパワーがしぼり出されるから速度のノリも向上する。
このアンチラグは効かせ方の調整がスマホアプリで簡単に行える。アンチラグ無/弱/中/強の4段階あり、その操作はスマートフォン画面をタッチするだけで完了する。こちらも安全性を考慮して車両が停止している(ATモデルではPレンジに入れる)ことが条件になる。
筆者のテスト結果では、効果を感じやすい(≑体感しやすい)のはMTモデルだった。8速のATに対してMTは6速とギヤの段数が異なり、テストした急カーブの連続するコースでは、2~3速を行き来させながら走ることになるが、8速ATと比較すればギヤ1段ごとの受けもち速度が増える6速MTはノーマル状態でのターボラグがやや気になる。
そこにアンチラグが介入することで物理的なターボラグが大きく減少し、エンジン排気量が20%程度増えた(≑エンジントルク値が増えた)かのような印象を抱いた。ATでも効果はしっかり体感できるが、今回のようにアクセルペダルを大きく開閉する運転操作となる急カーブではなく、繊細なアクセルコントロールが求められる高速域での複合カーブのほうが、より顕著にメリットとして感じられると思えた。
レーシングカーのようなメーター表示
新設された『③シフトタイミングインジケーター』とは、メーター上部に表示されるタコメーターのバー表示のことで、色変化で変速タイミングが図れる。この機能は停止状態からの急加速時や頻繁なシフトチェンジの際に重宝する。
まずエンジン回転数が上昇すると、黄緑色のバー表示面積が増えていく。さらにエンジン回転数が上がると今度は部分的に赤色となり変速が近づいていることが告げられる。そして変速を促す瞬間にはバー表示全体が青色になり、そのタイミングに合わせてドライバーがシフトアップ操作を行うと、任意で設定したエンジン回転数ぴったりで変速できる。
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