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タイパやコスパ重視も「美容系医師」増加の"実態" 現役医師が匿名で語る「若手の働き方」のリアル

東洋経済オンライン / 2024年10月9日 7時20分

医師不足の背景に「美容外科医の増加」が関係しているのでしょうか…(写真:ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA)

医師の数「美容外科」が約3倍に

今、美容医療を志向する若手医師が増えている。

【グラフでみる】年々増加…美容医療市場規模の推移

クリニックで美容医療に関連する診療科(美容外科、形成外科、皮膚科)に従事する医師数を2022年と2008年で比較すると、美容外科が3.2倍、形成外科は2.0倍、皮膚科は1.3倍に増えた。内科は微減で、外科は4割減っているのとは対照的だ。

年齢別に見ると、特に美容外科の20代、30代の医師数の占める割合が増加している(厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師調査」より。外部配信先では閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。

SNSなどできらびやかなライフスタイルが喧伝され、高収入のイメージが先行する美容医療の世界。「直美(ちょくび)」といわれ、臨床研修を終えた直後から、一般的な医療機関で働かず、美容医療のクリニックで働き始める若手医師も一定数いる。

そこで首都圏にある大学医学部のベテラン医師(教授・60歳)、中堅医師(准教授・56歳)、臨床研修を終えた若手医師(28歳)で匿名座談会を開催。美容医療に医師が流れる背景、変わりつつある医師の働き方について語ってもらった。

診療科をコスパで選ぶ時代

ベテラン医師:最近、自身の専門を選ぶときに、コスパを気にする若手医師がいる。学生が「先生の診療科はコスパがいいですか?」と、平気で聞いてくる。昭和の時代に鍛えられてきた我々の世代には考えられないことだけれど。

コスパだけでなく、ワークライフバランスを主張する若手もいる。以前から外科系は3K(きつい、汚い、危険)といって嫌われていたが、内科系もいまや一緒。自分の生活を基準に診療科を選ぶようになっている。

私と准教授(中堅医師)は、研修医時代に同じ大学病院で苦労をともにした。あの当時、2人とも比喩ではなく24時間ずっと働いていたよね。

家に帰った記憶もあまりない。通勤時間が惜しいから、病院にずっと寝泊まりしていた。給料だって、いつ振り込まれたかどうかも知らなかったし、気にしていなかった。遊びに行くなんてという発想自体がなかった。

最近は、仕事が終わっていないのに午後5時になるとサッと帰る医師がいる。むかつくんだよな(笑)。外来診療の時間が終わっても、病棟には患者さんが待っている。インフォームドコンセントもあるし、翌日の準備もある。医師の仕事は定時では終わらない。

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