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タイパやコスパ重視も「美容系医師」増加の"実態" 現役医師が匿名で語る「若手の働き方」のリアル

東洋経済オンライン / 2024年10月9日 7時20分

もちろん、定時に帰る医師がいても、“何やってるんだよ”とは言わないように我慢しているけれどね。

中堅医師:臨床研修後の若手から、将来の専門領域をどうすればいいかと聞かれる立場にある。

最近、ヒアリングをする機会があって、将来の専門について聞いたら、「経済的(収入面)に豊かになりたい」と言う。多数派ではないかもしれないが、私たちの若い頃に、そういったことを正面切って言う人はいなかったので、時代の違いを感じた。

先ほど5時に帰るという話があったけれど、現場で接している若手に、タイパを重視している傾向が強まっていて、終業時刻になったらサッと帰るのが当たり前になっている。という私も、最近はタイパについては意識し始めているけれどね。

年収は大学病院の2倍以上

若手医師:「直美」に関しては、私の同級生にも、友人にもいる。年収は私の給料やバイト代を全部含めた額の2倍以上だと聞いた。美容医療をしている知り合いに聞くと、始業時間は午前10時スタートだそうで、終業は午後5時から6時だという。私は午前7時には大学病院にいるので、ずいぶんと環境が違うなと思う。

そういうことを言うと上の世代の医師は直美を毛嫌いするかもしれないが、私たちの世代は比較的寛容というか、普通に受け入れている。

■美容医療の実態
美容医療の市場は新型コロナの影響など一時的に2020年こそ前年割れしたが、以降拡大している。
「コロナ禍のマスク生活で目元回りの施術を受けたい、あるいは人との接触が少なくなった間にしみ・たるみを改善する施術を受けたいと考える人が増え、需要は増加を続けている」(矢野経済研究所)

若手医師:収入や勤務時間だけを聞けば、そっち(美容医療)に向かっても仕方ないと思う。

ただ、今は過渡期だと思っている。美容医療も実は厳しい世界で、約6000億円程度の市場規模の中でパイを奪い合っていて、医師も営業をしなくてはいけないし、甘い話ばかりではないとも聞く。

授業料などが免除される代わりに、卒業後に僻地で診療する義務のある医師が、その義務をスルーして美容医療で診療するためのノウハウが、SNSで配信されている。

また、奨学金を支給するなどして、地域医療の担い手を確保するための入学者選抜枠、いわゆる「地域枠」で卒業した医師が、卒業後に課される地方での診療義務をどのように回避できるかが、若手の間で話題に上ったりもしている。

きっかけは「大野病院事件」?

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