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タイパやコスパ重視も「美容系医師」増加の"実態" 現役医師が匿名で語る「若手の働き方」のリアル

東洋経済オンライン / 2024年10月9日 7時20分

ベテラン医師:若手の残念な面ばかりを指摘してきたが、知識の面では、私たちは負けているかもしれない。カンファレンス向けのスライドも、私たちには到底、つくれないような質の高いものを仕上げてくる。その点では、今の若手はすごい。

少し違った切り口でも考えてみたい。

政府は「医師の働き方改革」を打ち出しているが、長時間労働が当たり前の医療現場を抜本的に変えるのは難しい。その要因には、患者やその家族にもあると考えている。

例えば「主治医制」。この国では、医師が一度、患者の主治医になると、ずっと主治医であり続ける。しかし、これは世界でも珍しい。特に、チーム医療が確立しているアメリカなどでは絶対にあり得ない。

ベテラン医師:大学病院では、病棟主治医がいるにもかかわらず、私を指名する患者がいる。頼られているのかもしれないが、病棟主治医が本来は診るべきもの。

医師の働き方改革の解決策の1つとして、複数主治医制が提案されているが、患者自身の意識を変えるのは容易なことではない。

医療が今後、どうなるか不安も

若手医師:主治医制については同意見。最近、アメリカの病院の総合内科で研修をする機会があった。驚いたのが、入院して2週間経つと、主治医が変わること。患者には、別の医師が「今日から私が担当です」と名乗る。

それまで主治医だった医師は担当を外れて、プライベートに時間を費やしたり、研究をしたりする。そのために、医療チームは患者の引き継ぎを徹底していた。

医師の働き方改革について言えば、ただ単に時間しか見ていなくて、質には重点が置かれていない。これから20年、30年経って医療がどのような形になっているかはとても不安でもある。

ベテラン医師:日本の医療は、医師の権限が強すぎる。

強いだけに責任もあるのだが、それが医師の過重労働につながっている側面がある。チーム医療というが、今のままでは真のチーム医療の実現は難しい。医師の権限を見直して、他職種に権限を移譲しなくてはいけないと思う。

君塚 靖:えむでぶ倶楽部ニュース編集部 記者

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