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石破首相「裏金議員=非公認・重複なし」決断の裏側 自民党内に怒り、言動の大きなブレで国民不信も

東洋経済オンライン / 2024年10月9日 7時30分

そうした中注目されているのは、より多くの都連所属議員が関係する可能性がある「比例重複の可否」だ。石破首相は6日の段階で「政治資金収支報告書への不記載があった議員は、比例名簿へ登載しない」との考えを表明しており、都連では一定数の所属議員が比例区との重複立候補が認められない公算がでてきたからだ。

次期衆院選では区割り変更の結果、東京の小選挙区はこれまでの25から30と一気に増える。このため、党執行部は各小選挙区の事前情勢を見極めた上で、東京での比例単独候補擁立の必要があるが、現状では「大混乱は避けられない」(都連幹部)だけに、井上会長は「比例区の候補者が減ってしまうと、比例活動に影響が出る」と不満げに指摘した。

「仲間にむち打っても支持率上がらない」との反発も

もちろん、東京都連だけでなく、石破首相や執行部に対する不満や怒りは多くの地方県連に渦巻いている。「各議員の命運を決める重大な方針決定だったのに、事前の相談や根回しが全くなかった」(地方県連幹部)からだ。なかでも狙い撃ちされた格好の旧安倍派議員からは「こんなことは政治家がやることではない。仲間にむちを打って、支持率をあげようとしたって上がらない」(閣僚経験者)との反発が相次ぐ。

そもそも、政党の公認を得られない無所属候補は、公認料などを失うだけではなく、選挙活動で大きな制約を受ける。具体的には①小選挙区の各候補者が個人で配れるビラやはがきの枚数制限②ポスターの掲示場所も選挙掲示板のみ限定③テレビやラジオの政見放送が行えないーーなどで、公認と無所属の「格差」が極めて大きい。

加えて、公明党の石井啓一代表が7日、記者団に、次期衆院選では自民が非公認とした候補への推薦を見送る意向を示したことも、「決定的なダメージとなる」(自民選対)との指摘が多い。

「全員非公認にすべき」と追及強める野党

一方で、この「裏金議員」の処遇をめぐっては、7日の衆院代表質問で立憲民主の野田佳彦代表が「(処分議員の)大半が公認される。党がお墨付きを与えることに国民の理解が得られるのか」と厳しく批判。日本維新の会の馬場伸幸代表も「国民感情からすれば、裏金に関与した全員を非公認とするべきだ」と追及。石破首相は「甘い処分で幕引きを図ろうとは認識していない」と反論したが、迫力不足は否めなかった。

与野党の代表質問は8日の参院本会議でも続行された後、9日午後の党首討論が解散前の最後の論戦となる。党首討論は野党要求を踏まえて、通例の45分間から80分間に延長することで与野党が合意したが、有識者の間でも「これで国民への判断材料を示したというのは、どう考えてもおかしい」(政治学者)との声が支配的だ。

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