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会社員なら知るべき「人数」が超重要な科学的根拠 人間関係の根底にある「ダンバー数」のすごさ

東洋経済オンライン / 2024年10月10日 11時30分

これを知るには、個々の人に自分が人間らしい関係にある親友や親族をリストアップしてもらう。あるいは、その人たちが電話、携帯メール、パソコンなどで連絡する相手をマッピングしてもらう。フェイスブックその他のソーシャルメディアで接触する友だちの数を調べてもいい。

まったく別の方法もある。狩猟採集社会から歴史的集落、教会の会衆などの大きさ、現代の科学協力ネットワークのように、過去や現代における自然集団の典型的な規模をチャートにする方法だ。

だが計算法をどう変えようと、答えはほぼ100人から200人の範囲内に収まる(図1参照)。30ほどのデータセットの平均は155人になる(図1参照)。

この数値はたいてい便宜上150人に丸められる。これが現在知られるところのダンバー数である。

私的な社会的ネットワークにおいては、ダンバー数は人が相手に対して義務感を覚える最大の人数と定義される。

この人数は、ある程度規則正しい頻度で会う人(たとえば、少なくとも年に1回)で、知り合ってから長い人の数ということになる。もし助力を乞われたら、見返りがないとわかっていても願いを聞き入れる相手の数だ。

この150人より疎遠な関係の人に対しては、私たちは利他的行動を取るのにより慎重になる。遅かれ早かれ(できれば早めの)見返りを期待するようになる。

それは、はじめから決まっている約束事であることが多い。あとで金を払うか恩返しするのであれば、私もあなたを助けるということだ。150人の境界線の外では、相互関係は一種の取引のようになる。

150人の上限が重要であるのは、コミュニティの規模がこれを超えない限りにおいて、大多数の問題は民主的な直接交渉で簡単に解決できるからだ。だが、この上限を超えると「スケーラー・ストレス(Scalar Stresses)」が生じて、集団がどんどん不安定になる。

交渉が難しくなり、コミュニティ内の情報の流れが滞り、物事が思い通りに進まない。相互に連絡不可能なサイロ(派閥や縄張り意識)が生まれ、人々は疑心暗鬼になって相手を信用しなくなる。こうなると、何らかのより正式な管理システムによって社会関係と業務を管理するしかない。

コミュニティの人数の上限

スケーラー・ストレスを解消するには、もちろん集団や組織の人数が150人を超えないようにすればいい。この手法を取り入れているのがフッター派(東ヨーロッパからの移民)とアーミッシュ(スイスやフランスのアルザス地方からの移民)だ。

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