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会社員なら知るべき「人数」が超重要な科学的根拠 人間関係の根底にある「ダンバー数」のすごさ

東洋経済オンライン / 2024年10月10日 11時30分

そうなる理由の1つは、物理学者のブルース・ウェストらが示したように、どうやら150人というコミュニティ規模が決定的な転換点らしいということにある。

ネットワークの規模がその数字に向かって増えるにつれて、システム全体の情報の流れが着実によくなる。

ところが、150人を超えると、情報の流れが驚くほど鈍る(図2参照)。コミュニティが150人を超えると何かが変わる。日常的に出会うことがもはやなくなるのだ。

こうなると、人々はサイロを形成してその中でのみ話すようになる。それまで見事に調和し組織化されていた人々が、一夜にしてライバル意識と非効率に支配される。

言い換えれば、150人はコミュニティにとって最適な規模であるが、同時に成立させることが不可能な2つの機能間の妥協の産物なのだ。

つまり、150人は直接、間接を問わず相互作用できる人数の最大値である。そして、それを境に社会関係の効率または質が低下する人数でもあるのだ。

力学系の数学では、このような点は「アトラクター」と呼ばれる。それは何も力を加えなければ系が自然とそこに向かう点である。系がその点でもっとも安定するからだ。

組織を分割しながら成長させる方法

企業組織にかんする著書『想像力(Imaginization)』で、トロントにあるシューリック・スクール・オブ・ビジネスの名誉教授で組織論が専門のガレス・モーガンは、観葉植物として人気の高いオリヅルランの比喩を用いて、つながった構造を壊さずに分割すれば、健全な成長が可能になると述べている。

オリヅルランは子株が親株から分岐することで分散した親─子ユニットから成る構造をつくる。これが健全なヒト組織のモデルだというのである。オリヅルランの一体感は、親株と子株をつなぐランナー(匍匐[ほふく]茎)によってつくられる。

ヒトの組織では、一体感は一連の最小限度の仕様(いわゆるミン・スペック)または行動原則、あるいは組織全体を結びつける共有された目的によって得られる。

モーガンによれば、これが会社を「不都合な状況」を乗り越えて何度も成長させる構造であるという。

(翻訳:鍛原多惠子)

トレイシー・カミレッリ:オックスフォード大学研究員

サマンサ・ロッキー:オックスフォード大学研究員

ロビン・ダンバー:オックスフォード大学名誉教授

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