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気づけば「自分に厳しい道を選ぶ人」が陥る思考 マラソンに挑戦しながら、聞こえてきた心の声

東洋経済オンライン / 2024年10月10日 16時30分

(写真: Graphs / PIXTA)

つい自分に厳しくしてしまうのはなぜ……?北欧・フィンランド出身の、応用心理学研究者であるエミリア・エリサベト・ラハティさんが見つけた、自分の身を守り、豊かな人生を送るための方法とは。『「弱いまま」で働く やさしさから始める小さなリーダーシップ論』を一部抜粋・再構成してお届けします。

社会心理学から学んだこと

フィンランド西部のセイナヨキ高校に通う好奇心旺盛な17歳だったときに、初めて心理学の授業を受けて以来、私は人間の心を理解することが自分に与えられた使命だと気づいていた。

【写真】『「弱いまま」で働く やさしさから始める小さなリーダーシップ論』では、豊かな人生を生きるためのヒントを紹介。

それでも、人口2万人ほどの故郷の町を離れ、社会科学の修士号をとり、ニューデリーやニューヨークなど海外で働いた後、ようやく心理学とふたたびつながることができたときには、10年以上がたっていた。

変化が訪れたのは、キャリアの危機をきっかけに、自分が人生で本当にやりたいことをやるしかないと痛感したときだった。人々が自己実現とエンパワーメントを目指す道を支援したい──そう思った。

社会心理学を専攻したことは就職機会にはあまりつながらなかったが、世界をどう見るべきかや、適切な問いの立て方を学ぶことはできた。そこで、そのとおりにやってみたのだ。

「私にとって、生きていることを実感させてくれるものは何だろう?」と私は考えた。「どうすれば自分の目的を達成できるだろう? 私より前にそれを実現した人から何を学べるだろう?」

私は学生のときでさえ、病理的な側面に重点を置き、精神疾患の原因や影響ばかりを取り上げる心理学にはどうしてもなじめなかった。

「ポジティブ心理学」についてはまだ聞いたこともなかった2011年に、ニューヨークのユニオンスクエアにある書店「バーンズ&ノーブル」で、フィットネスとボディビルのコーナーに間違って置かれていたこのテーマの本をたまたま見つけたのは、思いがけない幸運だった。

水色の表紙に目立つ黄色い文字で『本物の幸せ──ポジティブ心理学で潜在能力を発揮し、満ち足りた人生を送る』とタイトルが書かれたマーティン・E・P・セリグマンの著書だ(邦訳:『ポジティブ心理学が教えてくれる「ほんものの幸せ」の見つけ方──とっておきの強みを生かす』小林裕子訳、パンローリング)。最初の章を読み終わる頃には、人生のあの時点で探していたものが見つかったと確信した。

人が幸せを追求する中で求める5つ

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