中学受験の「魔の夜」を避けるためにすべきこと 「魔の月」の苦しさと向き合い現実を受け入れる
東洋経済オンライン / 2024年10月10日 8時0分
ただし、高嶺の花を第一志望にするのであればなおのこと、慎重な併願戦略が必要になります。納得できる合格を手にできるかどうかは、併願戦略にかかっているといっても過言ではありません。
首都圏模試センターによれば、2019年までの首都圏における中学受験の合格率は100%以上で、つまり選り好みしなければどこかには入れる計算だったのですが、2020年以降は100%を切ってしまいました。2024年の合格率は92.5%。受験生が100人いたら、そのうち7.5人はどこにも入れない計算です。
さらに男女別に合格率を見てみると、男子の親は戦慄します。女子の合格率は102.3%であるのに対し、男子の合格率は83.5%と、約20%もの開きがあります。女子は相変わらず選り好みしなければどこかには入れる状況であるにもかかわらず、男子の約6人に1人はどこにも入れない状況なのです。女子校に比べて男子校の数が圧倒的に少ないことが一因です。男子の場合はより慎重に併願校を選ばなければなりません。
ところで、合格可能性が50%の学校を2校受けたら、どちらかの学校には合格できる可能性は何%だかわかりますか? 「50%+50%で100%」とはなりません。A中学に不合格になる確率は50%、B中学に不合格になる確率は50%。ですから、両方に不合格になる確率は0.5×0.5=0.25で25%です。つまりどちらかには受かる確率は75%となります。
ということは、第一志望の合格可能性が20%であったとしても、合格可能性が50%の学校を2校、80%の学校を2校受けたとすれば、どこにも受からない確率は、0.8×0.5×0.5×0.2×0.2=0.008で0.8%となります。つまり、99.2%の確率でどこかには合格できる計算です。こうやってまさかの全落ちを確率的に防ぐのが併願戦略の基本です。
そのうえで、併願校を選ぶ考え方を、「前受け受験」「午後受験」「複数回受験」の3つ観点から説明します。中学受験関係者のあいだでは常識的なことですが、中学受験の裾野が広がったためか、意外とこの基本を押さえていなかったがために後悔した話を最近よく聞くようになったからです。
1月の受験では合格も不合格も経験しておく
東京都と神奈川県の私立中学は2月1日より前には入試を行わないことをお互いに約束しています。一方、埼玉県と千葉県では1月から入試が行われます。東京都や神奈川県在住の受験生が、1月に埼玉県や千葉県の私立中学を受験することを一般に「前受け受験」や「おためし受験」と呼びます。
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