中学受験の「魔の夜」を避けるためにすべきこと 「魔の月」の苦しさと向き合い現実を受け入れる
東洋経済オンライン / 2024年10月10日 8時0分
そのなかに、もし合格したら実際に通ってもいいと思える学校があればラッキーです。1月に進学先を確保できれば、2月の併願校選びは強気に攻めることができます。
通学時間の問題などから実際には通える学校がない場合でも、前受け受験で合格と不合格の両方を経験しておくと、落ち着いた気持ちで2月の入試を迎えられているケースが多いように、これまでの取材経験からは感じます。
実際には通えない学校だとしても本物の合格をもらえることは12歳の子どもにとって大きな励みになります。一方で、前受け受験でいい結果が出てしまったがために油断したという話はよく聞きますし、1月に不合格から立ち直る経験をしていなかったから2月の本命入試での不合格にショックを受けて立ち直れないまま中学受験が終わってしまったという話も聞きます。前受け受験は傷つく練習にもなるのです。
2月2日の夜は「魔の夜」になりがち
前受け受験で進学先が確保できていない場合には、2月1日か2日のいずれかの午後受験で早めに進学先を確保しておくことが、もし3日以降の後半戦まで入試が長引いたときのお守りになります。
さきほど10月・11月が受験生の親にとって魔の月だと述べましたが、2月2日の夜が「魔の夜」になることが多くあります。この時点でどこにも合格がもらえていないとパニックに近い状態に陥る親御さんも少なくありません。そうなると、後半戦もガタガタになります。
ですから、できれば2月1日の午後受験で、遅くとも2日の午後受験で、確実に合格を手にするように併願校を選びましょう。特に男子の場合には、ここで下手に高望みをしてしまったがために合格を手にできず、メンタルが崩壊して全落ちというパターンも十分に考えられます。
2月1日や2日に午後入試を行う学校の中から、偏差値的には十分に手が届いてなおかつ実際にその学校にわが子が通うことになっても前向きな気持ちでいられる学校を見つけることが、親の重要な役割です。わが子が落ち着いた気持ちで最後まで中学受験をやりきるための環境づくりです。それができれば、仮に第一志望校が不合格だったとしても、どこかで納得できる合格を手にする可能性は高まります。
第一志望の複数回受験をどこまで深追いするか
前受け受験や1日・2日の午後受験で進学先が確保できていれば、憧れの第一志望校の2回目、3回目の入試をどんどん受けてかまいません。複数回受験してくれた生徒には加点の優遇措置がある学校も少なくありません。しかしいくら憧れの第一志望であったとしても、ほかに進学先が確保できていないのに複数回受験に全振りするのは危険です。
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