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ダヴ「ルッキズムに異議」が皆の怒りを招いた根因 「啓発キャンペーン」がなぜ批判されてしまったのか

東洋経済オンライン / 2024年10月10日 16時20分

「子どもたちの自己肯定感を育むことを目的としています」との注意書きが入ったキャンペーンサイトのトップページ(画像:ダヴ公式サイトより)

10月7日から渋谷駅に掲出されている、パーソナル・ケアブランドのダヴ(Dove)の広告が批判を浴びている。

【画像】むしろ知らない言葉のほうが多い? 「ルッキズムを煽ってる」と批判殺到のダヴ広告

本広告は、10月11日の「国際ガールズデー」に合わせたもので、ルッキズムに警鐘を鳴らし、美しさの基準が多様であることを啓発するものだ。

広告の内容としては、「中顔面6.5センチ」「遠心顔/求心顔」「出目」など外見に関する紋切り型の表現を否定し、「#カワイイに正解なんてない」というキャッチコピーで締めくくっている。

これが、SNS上で「逆効果ではないか」という批判を浴びているのだ。メディアで「批判殺到」「炎上」と言われても、実際は批判的な意見は少数であることは多々あるのだが、今回の場合は、そうとも言えないようだ。

「(この広告の)どこが問題かわからない」という意見は見られたが、批判的な意見も多いし、批判的な投稿や記事に対する「いいね!」やリポストも多い。

なぜ、この広告は批判を浴びてしまったのだろうか?

【画像】むしろ知らない言葉のほうが多い? 「ルッキズムを煽ってる」と批判殺到のダヴ広告

ダヴの広告が炎上した根本的な理由

社会的なメッセージを発信する「啓発広告」は最近増えてきている。それらの中には、称賛されるものもあれば、批判されるものもある。

啓発型の広告が批判される理由として、下記のようなことが考えられる。

1. 潜在化していた問題を、顕在化させている

2. メッセージが一部の人には受け入れがたかったり、押しつけがましく感じられたりする

今回の批判は、1の要素が強い。つまり、外見に関する表現が(たとえそれが否定されていても)明示されることで顕在化してしまい、かえって人々が意識するようになってしまったということである。

SNS上では、外見に関する表現が一般的とは言えず、「むしろ広告を見て知ってしまったものも多い」という意見も散見された。

類似した事例に、2020年にナイキジャパンが公開した、日本での人種差別問題を扱った動画「動かしつづける。自分を。 未来を。The Future Isn't Waiting.」がある。

「日本に人種差別はない」と断言できる人は少ないかもしれないが、「取り立てて問題にするほどのことでもない」と思っている人は少なくないだろう。そうした中で、この広告は日本の人種差別問題を顕在化させて、物議をかもした。

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