「子どもの近視は遺伝する」というのは本当なのか わが子の目や体にとって本当によい環境とは
東洋経済オンライン / 2024年10月11日 7時25分
窪田:一言でいえば、「1日合計2時間ほど屋外で過ごす」という環境です。屋外に出ると自然に遠くを見ることにもなりますし、あらゆる波長の光を含んだ太陽からの自然光を一定時間浴びることができます。
ボーク:そうなのですね。思い起こせば、娘が通った学校は小学校3年生になるまで宿題はゼロで教科書もありませんでした。放課後に学校の宿題に追われるということは一切なく、学校が終わると子どもたちそれぞれが外に駆け出すといった感じでした。
窪田:私は日本の公立校に通い、父の仕事の関係でアメリカの小学校に転校しました。転校当時、日本とアメリカでの放課後の過ごし方の違いに面食らった記憶があります。日本にいるときは、放課後友達と遊ぼうとしても「塾に行くから」と断られたりしたものです。
ボーク:私も日本で教育を受けたので驚きました。アメリカでは習い事や塾に子どもを駆り立てるような雰囲気は存在しませんよね。放課後になると子どもたちは学校の校庭や公園に行き、泥んこになって遊んでいました。
その様子を見て当初は「このままで大丈夫なのだろうか」と不安に思いました。ですが、彼らの高校卒業後の進学先を見ると、名だたるトップスクールで埋め尽くされていました。
窪田:小学校低学年のうちは、脳もまだ発達途中です。机に向かって黙々と勉強していることがよいとは必ずしも言い切れない年齢ですね。
自分に向き合う教育
ボーク:ほかにも驚いたのは、幼稚園や小学校の身体を動かすカリキュラムにヨガのクラスがあったりしたことです。
窪田:ヨガというと日本では大人がやるものというイメージがあります。なぜ幼児教育にヨガが取り入れられているのでしょうか。
ボーク:自分の感情と向き合う手段として取り入れているようですね。たとえば、イライラした気持ちを静めるときに、ヨガの呼吸をして落ち着かせたりしています。
2歳半の子が本当にヨガなんてできるの?と半信半疑でしたが、実際にヨガのクラスを覗くと先生のガイドに沿って上手にやっているんですよ。
窪田:日本では、「身体を動かす」イコール「スポーツ」となりがちですよね。習い事や部活でいきなりスポーツ要素が強い動きが多くなるので、身体を動かすのが苦手な子にはハードルが高いと思います。ヨガなら、どんな子でもチャレンジできそうです。
ボーク:そうですね。アメリカで娘を育てて実感したのは、小さいときにきちんと自分の身体と心に向き合うベースを作る教育がなされているということです。
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