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最盛期から半減「やきとり大吉」"反転攻勢"の秘策 課題は店主の高齢化、「白い大吉」で若返りを図る

東洋経済オンライン / 2024年10月11日 8時25分

やきとり大吉では、従来の「赤と黒の看板」というイメージから、新モデル「白い大吉」へのリブランディングを進めている。「入りにくい」という課題を解決する狙いがある(写真:ダイキチシステム提供)

一時は1000店舗あった「やきとり大吉」。だが、現在は491店舗に減っている。

【画像14枚】グッと入りやすくなった印象の、「白い大吉」の外観や店内の様子

原因は店主の高齢化だ。現在の店主の平均年齢は55歳。大吉では20年以上続けている店主が320人、約6割を占めており、70代、80代と歳を重ねている。そのため、体力が続かず閉店してしまうケースが相次いでいるのだ。

大吉を運営するダイキチシステムはこの事態を食い止めるために、新規出店や若い店主の育成に注力している。しかし平均年齢がなかなか下がらず、開店数が閉店数にまだ追いつかない状況だ。

そんな最中の2023年1月、ダイキチシステムはサントリーホールディングスから、鳥貴族を運営するエターナルホスピタリティグループに買収された。

前編ー鳥貴族が買収「謎の焼鳥チェーン」人情派な儲け方 赤と黒の看板の「やきとり大吉」は"経営の教科書"だーに続き、後編では、その経緯や訪れた変化と共に、店舗数と来客数拡大へ向けた動きを解説する。

サントリーから鳥貴族へ。突然の買収

買収は突然だったという。事前に相談はなく、サントリーホールディングスとエターナルホスピタリティグループの上層部で決定がなされていた。

あとで聞いた話によると、買収の目的はこんな内容だったそうだ。

【画像14枚】最盛期から半減の「やきとり大吉」、反転攻勢の秘策は"白い大吉"、若者にも入りやすい店づくりと新しいメニュー

鳥貴族と大吉が合併すれば1000軒以上の大型チェーンになる。鳥貴族もセントラルキッチンを持たずに自店で仕込みを行っており、クオリティの高い焼鳥を出す日本のNO.1、NO.2の企業が合体することで、スケールメリットやアイデアを最大限に活かせるのでは?というものだ。

前編でも少し触れたが、元々、エターナルホスピタリティグループの大倉忠司社長が鳥貴族を開業したきっかけは、元大吉店主が開いた焼鳥店での修行だった。今でも大吉を非常にリスペクトしており、「一緒に日本の焼鳥界を盛り上げていきたい」という気持ちをずっと持っていたそうだ。

それにしても突然すぎる。情報漏洩を防ぐ意味では仕方なかったのかもしれないが、加盟店には複雑な思いもあるのではないか。

そう尋ねると、自身もサントリーホールディングス出身の近藤社長は、「最寄り駅から降りて、自分の店に行くまでの間に鳥貴族の前を通る店主は多くいます。ですからもちろん、驚きや戸惑いはあったのではないでしょうか。それでも大吉の看板を持ち続けてくれたのは、『自分たちは、地元密着の生業だから』と納得してくれたからかもしれません」と店主をおもんばかる。

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