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自己効力感の低い人が陥っている「症候群」の正体 成果重視の人は、自分は力不足だと思う傾向

東洋経済オンライン / 2024年10月11日 18時0分

「創造的な思考」はその一つです。これまでの方法では対応できない課題を解決するために、新しい概念や手法といった複数の領域をつなぎ合わせて発想する力はAIにはない、人に求められる能力です。

AIは人間が作ったルールや構造に従って、情報を蓄積、分類しそこから学習することを得意としています。つまり、高度で複雑な内容であっても、パターンが決まっている仕事ではAIが力を発揮して遂行してくれますが、状況に応じて、多種多様な判断や対応が求められることはAIの苦手分野なのです。

「AIを使いこなす力」が必要に

さらに「AIを使いこなす力」が必要になります。その力を発揮してそれを遂行するためには、個人の資質としてのメンタリティが非常に重要です。

そこで、何か新しいことに取り組むときに「自分ならできる」という信念を持ち、自らの行動を主体的にコントロールできる「自己効力感」が重要な役目を果たします。

自己効力感は、これまでもビジネスやスポーツの世界、病気の克服などでも注目されてきましたが、これからは人がAIを使いこなし、よりクリエイティブな成果を生み出していける共存関係を構築していく上でも、ますます重要になってくるはずです。

私たちが自信(自己効力感)を持ちづらい背景

内閣府の「子供・若者白書」や他の国際調査で、日本の子どもたちや青少年の自己肯定感が低いことが指摘されるようになって10年以上になります。

未来を切り拓く力となり、次の一歩を踏み出す力となるのが自己効力感だとすると、その前に、自分自身を認めて自分は大丈夫と信じられる自己肯定感が必要なのです。

経済的な豊かさは向上し、人生の選択肢も増えているはずなのに、日本の子どもたちは逆に「自信」を失っています。

自己肯定感が低いことで「自分は大丈夫」「自分の将来は明るい」「未来は自分の力で拓ける」というポジティブな感情が持ちづらくなっています。そのため、自己効力感も低い状況なのです。

教育改革実践家の藤原和博氏は、子どもたちを見ていると、叱られることや失敗を恐怖するあまり、叱られないように、失敗しないように振る舞う態度が顕著になっているといいます。

親は子どもに対して「早く、ちゃんとできる、いい子」を望みます。熱心な親や先生であればあるほど、褒めるより注意することのほうが多いでしょう。すると、子どもは知らず知らずのうちに自信を損なってしまうのです。

ビジネスパーソンはどうでしょうか。これまで10年以上、多くの企業で自己肯定感を軸にした人材育成や組織開発の研修を実施してまいりました。現場で感じるのは、大人になって社会で働くようになったからといって、自信が持てるようになるわけではないということです。

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